2016年08月21日

個人型確定拠出年金制度(個人型DC制度)の愛称募集キャンペーンに応募しました。

「確定拠出年金普及・推進協議会」が、個人型確定拠出年金制度(個人型DC制度)の愛称募集キャンペーンを行っていましたので、応募してみました。

応募期間は2016年8月1日〜21日まで。意図せず締め切りギリギリでの応募になりました。
金融機関の各協会の参加団体、厚生労働省・金融庁がオブザーバーである、いわば「公式」「公認」の確定拠出年金の普及推進団体であると言えるでしょう。

個人型確定拠出年金制度(個人型DC制度)という名前が固いので、世間により広げるべく親しみのわく「愛称」(呼び名)を付けようという動きのようです。少額投資非課税制度「NISA」みたいなもんでしょう。
趣旨は、「国民のみなさまの老後に向けた継続的な自助努力を支援するために、加入者範囲の拡大など新しい制度のもとで運営される個人型確定拠出年金制度(個人型DC制度)に親しみをもてる愛称を募集します。」とのことで、採用された愛称は、「行政、確定拠出年金普及・推進協議会の会員団体・運営管理機関等の各社のホームページ、広報・啓発ポスターなど幅広く活用」されるとのことです。

公認の機関が付ける愛称ですので、今後、新聞や雑誌等のメディアでも、「愛称」が使用される機会が増えることでしょう。

個人型確定拠出年金制度(個人型DC制度)は生活者の立場から有用な制度であると思いますし、私自身も個人型DCに加入しており積立額上限で積み立てています。

ということで、記念に「愛称」(呼び名)に応募してみました。
私のようなクリエイティブのセンスがない者になると、記念で応募でも良い愛称ってなかなか思いつかなくて結構悶々としてしまいました(笑)。

私が考える「良い愛称」としては、「NISA」みたいに名前を聞いても何のことかが分からない名前ではなく、名前を聞くと何となーく、どういうものかくらいは想起できるものが良いんじゃないかなと思いました。
かつ、メディアでも使いやすいよう文字数は短い方が良い。

個人型DC制度の意義を1〜2行で説明するとしたら、「税制メリットを活用しながら、自分自身で長い期間にわたってお金を積み立て資産運用をしていき、老後年金資金を形成するための制度」といったところでしょうか。
キーワードは、「税制メリット」「自助努力」「年金」「長期(未来)」といったところでしょうかね。
この線で考えると、「じぶん年金。」「わたしの年金」「みらい作り」「節税年金」「年金サポート君」とかしか思いつかないもんですね・・
「一言で言うと?」「略称名称」としては間違ってないと思いましたが、「愛称」として親しみがわく名前かというとそうも思えず・・、考えること30分。。。
・・良い応募案は思いつかず。

どういうものか想起できる名前は諦めると、当初の中身の伝わる名称は諦め、「DC」という単語を前後に入れるか、と考えます。
1番最初に思いついたのは「iDC」(←「わたしのDC年金」的なベタな発想)。
大塚家具じゃねーか!w
ちなみに大塚家具のIDCは何の略だろうかと思ったので、調べてみるとインターナショナル・デザインセンターの略だそうです。

まあ、このへんで投げやりな気持ちになりました。

DCはDefined Contributionの略なので「確定」「拠出」ですね。
DC制度の最も訴求すべきポイントは「節税」「税効果」でしょう。
Tax Effect Pensionを略して「TEP」(てっぷ)としましょうか。。。

まあ、こう考えると、3〜4文字の英語の略称で発音しやすいようなものに決まるんでしょうね。きっと。
それか、DCにちなんだ何かをイメージしました、というような造語のカタカナ言葉かな。

応募ページに「個人型DC制度に期待すること」とあるので、「拠出上限枠の拡大」「拠出機関や受け取り方法等の柔軟化」「運営管理機関の変更の自由度の拡大」と記載しました。こっちはガチ。

また、ちょうど1週間前の日経ヴェリタス2016年8月14〜20日号では「1億総積み立て時代」として「確定拠出年金 とことん活用」とDC特集が組まれていました。
その中で、インデックス投資ナイトでの2017年から対象者が広がる制度改正では「日本で投資が広がるきっかけになる」との声(記事では誰かは紹介されていませんが、一部の締めでのカンさんの発言ですね。)や、インデックス投資ナイトの撮影写真をご掲載いただきました。日経ヴェリタスさん、ありがとうございます。
160821 個人型DC_日経ヴェリタス.jpg

記事では金融機関の手数料や商品数の比較表も掲載されています。
加入時手数料(加入時のみ払う)・口座管理手数料(毎年払う)が低いに越したことはないですが、商品ラインナップで自分が投資したい対象商品があるか、投資対象運用商品のコストはどうか、がより重要と思います。
現行では、記事で取り上げられているSBI証券、スルガ銀行、野村證券あたりが総合的に選ばれやすいのではないかと思います。個人型DCの新規参入の楽天証券がどう出てくるか、でしょうか。

「個人型確定拠出年金ナビ」などを参考にすると良いでしょう。

DC制度については多くの解説記事がありますしここでは割愛しますが、基本については下記記事あたりを読んでおけば良いでしょう。
マネトク「サラリーマンなら知っておきたい確定拠出年金」
マネトク「確定拠出年金のスゴい節税効果」

(追記 2016/9/27)
2016年9月16日、iDeCo (イデコ) という愛称に決まったと公表されました。
4351件の応募で30代女性の考案が採用されたとのことです。
以下が選定理由とされています。
英語表記の「i」ndividual-type 「De」fined 「Co」ntribution pension planの単語の一部から構成され、個人型確定拠出年金をうまく表している。また、「i」には「私」という意味が込められており、自分で運用する年金の特徴を捉えていること。
「イデコ」は親しみやすい響きで、小文字と大文字の交互の組合せが、スタイリッシュでおしゃれな印象を与えること。

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2016年07月12日

マイナス金利にも負けない究極の分散投資術 朝倉智也/著【書評レビュー・感想】

先日のインデックス投資ナイトでもご登壇いただきました、投信評価会社のモーニングスター社長の朝倉智也さんの新刊です。私は、モーニングスター主催のETFカンファレンスなどにも参加しており、朝倉智也社長の講演等を聞いていますし、今までの著書も数冊拝読しております。
朝倉智也社長は、ポイントを個人投資家に対して分かりやすく押さえソツなくバランスの取れた講演内容及び情報発信をされております。
また、投信評価会社の社長という立場上、インデックスファンドよりアクティブファンドの方が明らかにビジネス上の営業先としては大事だと思うのですが、アクティブファンドを全面に打ち出す商売上の都合を押さえて(いるのかどうかは分かりませんが)、客観的にコストの話やインデックスファンドやETFの優位性等も説かれておられます。
(参考)2014/12/23 モーニングスターETFカンファレンス2014に行ってきました。2015年の投資スタンスは「用心深く、楽観的に」(朝倉智也社長)で
*モーニングスターETFカンファレンス2015は参加したのですが記事化し損ねました。。。

そんなモーニングスター社長の朝倉智也さんの最新刊ということで、「マイナス金利にも負けない究極の分散投資術」を読みました。
昨今の経済情勢を踏まえた資産運用環境の解説や、具体的な資産運用の方針についての考え方、具体的なポートフォリオやそのための投資商品(投資信託やETF)の例までがまとまっています。タイトルの通り、マイナス金利の件も触れていますがマイナス金利だからどうというわけでもなく普遍的な内容です。
長期志向での資産運用法が主眼です。
資産運用をしたことがないド初心者には少し難しいかもしれませんが、自身でポートフォリオを作りながら資産運用法が確立されていなかったり試行錯誤の状態という個人投資家の方には有益であるかと思います。
偏った見解も毒もないため、ある程度の経験を積んでいて熟練した個人投資家には、とり立てて目新しい内容はないかなというところです。

マイナス金利にも負けない究極の分散投資術
朝倉智也
朝日新聞出版
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初版発行日 2016年6月30日
全213ページ ・ソフトカバー

本書の第1章・第2章では、2016年6月末時点の経済情勢や日本の資産運用環境の解説、第3章では大きく変わり資産運用の「常識」として10のテーマについて解説され、第4章では「究極の分散投資」として具体的なポートフォリオの運用法についての紹介がされています。

タイトルの「マイナス金利」という環境について、本書では、マイナス金利の導入により環境が激変したものではなく、実質金利(10年国債利回りから消費者物価指数を引いたもの)はマイナス金利の導入前から日本ではマイナスの状態が続いていたので、もともと預貯金ではお金の価値は目減りしている状態だったが、それに拍車をかけるのがマイナス金利政策の影響であるとしています。「資産を増やす」よりも「守る」ことの重要性、運用商品のコストを下げる必要性、マーケットの変動に耐えうるようより多くの資産クラスへの分散投資の必要性が説かれています。マイナス金利だからということに限った話ではありませんが。

個人的に関心が向いたところは、p36-38で言及されている日銀金融緩和の行方です。「黒田総裁が出口について言及した瞬間にマーケットが崩れるだろうと容易に想像できる」とし、「先のことは明言できませんが、少なくとも日本が大きな火種を抱えていることだけは間違いない」と述べています。量的緩和縮小の衝撃が何を引き起こすか、何も引き起こさないか、確かなことは言えないが、そう遠くないうちに何らかのイベント(201?年に「異次元の量的緩和の縮小による衝撃」)が起きる可能性に触れています。
とはいえ上述以上に深堀はなく、さらっとしか述べられていませんが、私として現在最も注視しているテーマと同様の問題意識を持っていることを感じました。

第3章の大きく変わり資産運用の「常識」として挙げられている10のテーマは簡単に整理しておきましょう。
詳しい内容については本書をご覧になるとよろしいかと思います。

1.相場を読んではいけない →相場を読んで大きく儲けるというのは多くの場合、オーバーコンフィデンスであり、相場を読んで当てに行く投資はなかなかうまくいかないだけでなく、往々にしてババを掴むことに。資産クラス別の過去のパフォーマンスを見ても毎年上位は入れ替わり次に何が来るかは誰にも分からない。

2.「為替相場のプロ」を信じてはいけない →為替を正しく予測するのは不可能。資産分散の中で通過の分散も考えることが大事。

3.「いつ買っていつ売るか」を気にしてはいけない →売買のタイミングを図ることは難しい。心穏やかに長期で資産形成を目指す運用を目指すのであれば、損失をできるだけ抑えることを重視すべき。

4.株式と債券だけでは分散は不十分 →超低金利下では金利の低下に限度があるので、株価が大きく下げても債券価格はあまり上がらず、分散効果は小さくなる。

5.国内株と海外株の連動性が高まっている →市場間・資産間で価格連動性が高まり、分散効果が出にくくなっている。

6.非グローバル企業の中小型株を →より分散が図れる銘柄やセクターを検討し、組み入れていくことが必要。非グローバル企業は世界の株式市場の動向から影響を受けにくい。

7.長期的に見ればやはり新興国は外せない →新興国の経済成長率予測は、先進国より高い成長率が維持される見通しである。足元では新興国市場の低迷が続いているが、長期的には投資先として外せない市場だと考えるべき。

8.国債だけでなく投資適格社債、ハイ・イールド社債 →先進国で金利が軒並み低下している。債券投資では、国債より高い利回りが狙える投資適格社債、ハイ・イールド社債なども組み入れていくべき。

9.マイナス金利時代こそ金(ゴールド) →金は、そのものが価値をもつ「現物資産(リアルアセット)」であり「カントリーリスクのない通過」という特徴がある。株式や債券との価格連動性も低い傾向にあり、インフレヘッジにもなる。利息や配当がつかない、保管や持ち運びリスクというデメリットがある。ポートフォリオの一部へ組み入れることを前向きに検討すべきでは。

10.国内株よりも海外株の比率を高める →日本と米国の産業構造や技術革新について俯瞰してみると、長期的な運用で資産を育てていこうと考えるならば、やはり国内株式よりも米国を中心とした海外株式をポートフォリオに多く組み込むべき。


第4章の「究極の分散投資術」では、具体的なポートフォリオの運用法についての紹介がされています。
ここで少し意外感があったのは「3つの資産カテゴリー」でのポートフォリオ構築を勧めていることです。
3つのカテゴリーとは、@長期的に資産を育てる「成長資産」、A安定したインカムを得る「インカム資産」、Bインフレに備える「インフレヘッジ資産」です。

私が「意外感があった」のはお金のデザインが提唱する概念を取り入れていたからです。
(参考)2014/12/21 (株)お金のデザインの新サービス「ETFラップ」の説明会に行ってきました。

3つのカテゴリーって、どうなんでしょう。資産クラスをより目的に即して機能別にくくるということなのでしょうが、成長=株式、インカム=債券・不動産、インフレヘッジ=金・通貨分散、ということであると解釈できるので、新しさがあるようにも個人的には思えないのですが。。。

長期で資産を形成することを重視して提案したいのは、
成長資産 70%
インカム資産 20%
インフレヘッジ資産 10%
のポートフォリオとのこと。
そして、コストの差はそのまま運用成績の差になり、運用期間が長期になるほどその影響は大きくなるので、長期的に資産形成を目指すには徹底的に運用コストにこだわるべき、インデックスファンドを中心として投資信託やETFの活用が提案されています。

具体的な海外ETFでの商品例は以下の通り。
成長資産 バンガード・トータル・ストック・マーケット(VT)
インカム資産 バンガード・米国トータル債券市場(BND)
       バンガード・トータル・インターナショナル債券(米ドルヘッジあり)(BNDX)
       バンガード・米ドル建て新興国政府債券(VWOB)
       SPDR バークレイズ・ハイ・イールド債券(JNK)
インフレヘッジ資産 iシェアーズ ゴールド・トラスト(IAU)

また、「コア(中核)・サテライト(非中核)」の考えに従い、より高いリスクを取ってより高いリターンを目指すサテライトに下記の商品が紹介されています。
・バンガード・スモールキャップ(VB)信託報酬0.08% 米国の小型株で、業種分散に加え、運用スタイルも割安株、成長株の双方に投資している
・バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップ(VSS)信託報酬0.17% 米国除く先進国・新興国47ヵ国の小型株を対象。
・iシェアーズ MSCI フロンティア 100(FM)信託報酬0.79% 新興国マーケットの次に成長が期待されるフロンティア市場の約20ヵ国(クウェート、モロッコ、ケニア、オマーン、バングラデシュ、パキスタン、カザフスタンなど)を対象。フロンティア市場は海外ETFでなければ投資が難しいことを考えると信託報酬0.79%は極めて低いと言っていいでしょう、とのこと。
・iシェアーズ 米国物価連動国債(TIP)信託報酬0.20% インフレ時に価格が上昇しインフレヘッジとなる債券。年限が1年から20年までの債券に資金を均等な割合で配分し、年限の分散化を図っている、
・ヴァンエック ベクトル新興国市場現地通貨建債券(EMLC)信託報酬0.47% 新興国政府(ポーランド、マレーシア、メキシコ、ブラジル、南アフリカ、タイなど)が発行する現地通貨建ての債券で構成

*これらの海外ETFは全てモーニングスターのウェブの海外ETF検索(ホーム >ETF >海外ETF検索)から詳細を確認できます。


他、投資信託(インデックスファンド・アクティブファンドも含む)でのポートフォリオも紹介されています。
モーニングスターのサイトを活用しながら投資信託を探す方法や、ETF同様のポートフォリオ例が挙げられています。

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