震災で多大な被害を受けた方々へ心よりお悔やみ申し上げます。
東京は、当初は今週からは平時に戻るかと思っていましたが、計画停電や原発といった問題で改めて惨事の大きさを実感します。
(注)
今回の記事はメモです。下記文中は本ブログ運営者の単なる所感・日記であり、読者に関連銘柄の購入への誘引を意図したり、購入の推奨を含む何らかの示唆を与えるものではありません。
ブログ運営者は一般投資家として関連銘柄の売買を行っている場合があります。
普段は全く場中の市場の動きをリアルタイムで見ることはないのだが、今週は、常時ではないが傍らで日経225先物や色々な株価の動きを見ている。
3/14(月)、15(火)は株式市場も惨事のようであったが、TOB中の株の株価が大きく下落した。
3/14(月)に、場中にたまたま目についたCCC(4756)の株を購入した。
通常、TOBの成立見通しが低い場合等の特殊要因がない場合には、TOBがかかっている株の株価はTOBの買付価格近辺に張り付く。
TOB価格ちょうどにならないのは、TOBへの応募事務の取り扱い証券会社が特定されているため、一般投資家にとっては株式の移管の手間等を考えると市場で売る方が早いためである。
CCCは600円でTOBがかかっている。TOB期間は2011年3月22日(火)。MBO発表後、地震前までは、概ね596円から598円で推移していた。
それが、今回、株価が下落した。
CCCの月曜以降の安値と終値
3/14 安値 562円 終値 585円
3/15 安値 570円 終値 590円
3/16 安値 585円 終値 591円
アートコーポレーションやワークスアプリケーションも同様に、TOB価格より株価が下落する値動きを見せている。
しかし、600円で買ってもらえると決まっている株の値段が、キャッシュ化までの日数分の金利以上に下がるのは不思議だ。
手数料を抜きで考えると、計算上、580円で買って20円の利益なので利回りは3.4%となる。
月曜(3/11)の一時的な下落は分かる。信用買いの追証発生による強制決済や追証差し入れのためキャッシュがすぐに必要な筋の換金売りがあったのだろう。
しかし、翌日以降も続いた。
3/15(火)の日経新聞朝刊の株式欄には、マネックス証券マーケット・アナリスト金山氏の「合理的な株価ではなく、信用取引の追い証(追加担保差し入れ義務)などに対応する目的で、換金売りをせざるを得ない投資家がいるようだ」と解説された。
日経に出れば、合理的な価格形成が十分にされる程度には一般の目に触れることになっただろうから、3/15(火)にはすぐにTOB価格近辺へいくだろうと思ったが、590円程まで上げたがまだ若干の開きが残っている。安値は570円だが、これは日経平均先物が一時8000円を割れた時間帯に付いた値である。
3/16(水)になっても終値は591円。
利回りが決して高くはないが短期で確実性を考えれば悪くはないはず。
野村が自己売買で買い集めてしまうんじゃないかとも思うのだが(利益相反とかで規制があるんですかね?)、不思議な値付けがされている。
流動性低下に伴う下げ要因以外は何だろう。
何らかのリスクを市場が織り込んだのかを考えなくてはいけない。
考え付くリスク要因は、倒産リスク、MBOの不成立、TOB価格引き下げ、TOB取り下げあたりか。
下記は完全に個人的な読みだが、
・倒産リスク・・・地震の影響が甚大でMBOされる前に倒産するリスクがないかは、確率論ではやや倒産リスクは上がるのだろうが、現状では無視していいだろう。
・MBOの不成立リスク・・・CCCのTOBにはマジョリティ・オブ・マイノリティ(*下記参照)の応募という成立条件が付いている。ここは少々気になるところではある。しかし、これだけ物議をかもして応募が足りなかったから「やっぱり上場維持続けます」はあり得ない。不成立ならTOB価格が引き上げられるだろう。
・TOB価格引き下げリスク、TOB取り下げリスク・・・地震による影響で将来収益の見通しが不透明あるいは下方へ修正ということはあってもそもそも「TOB価格が低いのではないか」と取締役会や独立した第三者算定機関からの指摘を振り切って行っている。始まってしまったTOBの変更は手続上においても厳しいはず。
といったところと私は思う。
特段の理由は思い当たらない。
CCCだけでなく、他のTOB銘柄も同様の値動きであることを考えると、個別要因ではなく流動性によるものが大部分の要因なのだろうなと考えた。
本件TOBのプライシングの件は色々とあるが、色々とありすぎて今回は書く余裕がないのと今回の検討事項に直接の関係がないため省略するが、不成立リスクの「マジョリティ・オブ・マイノリティ」については加筆をしておきたい。
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