これは、「年数=72÷年利」という式を使うと簡単に計算できるというもので、これが「72の法則」です。一般的には「72の法則」として説明されることが多いように思いますが、「70の法則」とされることもあります。
例えば、3%の複利で運用した場合に元本が倍増する年数を知りたい時、72÷3=24ですので、3%で毎年運用すると24年後に元本が倍になるというように計算できます。
ただ、実際に毎年同じ利回りの複利で資産を運用することは困難ですので、実はあまり実益のあるものではないかもしれません。
目標利回りの設定と、その目標利回りが達成された場合の結果を想像することで楽しみには使えます。
また、この法則の話を持ち出すことにより、「複利1%だと元本倍になるのに72年も掛かりますよ。10%だと7年ちょっとで倍になるんですよ。」という法則への不思議さへの好奇心とともに話を引きつけることが可能となります。
なぜ「72」又は「70」なのか。これは数学的にはテイラー展開の応用例で計算出来ます。年利r%が複利でn年回ると、元金は、(1+r/100)^n(n乗)倍になるので、これが2になるという式をnについて解けば出ます。(1+r/100)^n(n乗)=2の両辺の自然対数を取って割ると、n = log2/log(1+r/100)になる。ここで、logのテイラー展開(マクローリン展開)が、
log(1+x) = x −x^2/2 + x^3/3 − x^4/4 + …(注:^xはx乗)
であることから、1次の項までとってlog2/log(1+r/100)に放り込むと、ほぼ100log2/rになります。100log2は約70なので、70の法則が導けます。(神永正博先生のサイトより)
細かくは、log2は0.693で約70、だから70の法則ということです。
数学的な詳しい解説はこちら。
エクセルでの計算の仕方の解説はこちら。
ここで興味深いことに気が付きます。
数学的には「70の法則」なのに、一般的には「72の法則」としての方が広く知られているように見受けられます。
「70」より「72」という数字の方が「神秘性」を感じる気がしませんか?本当のところは何故だかは分かりませんが、72の法則は不思議さをわきたてるためにに70の法則よりも広まっているのかもしれません。
さて、72の法則(70の法則)は実際の計算結果とどの程度離れているのでしょうか。(下の「続きを読むをクリックしてお進み下さい」)
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