2010年12月30日

72の法則(70の法則) とは

72の法則(70の法則)は、「複利○○パーセントで運用したときに元本が2倍になるのは何年後か」を計算するための簡便な計算方法としてたびたび取り上げられます。
これは、「年数=72÷年利」という式を使うと簡単に計算できるというもので、これが「72の法則」です。一般的には「72の法則」として説明されることが多いように思いますが、「70の法則」とされることもあります。
例えば、3%の複利で運用した場合に元本が倍増する年数を知りたい時、72÷3=24ですので、3%で毎年運用すると24年後に元本が倍になるというように計算できます。

ただ、実際に毎年同じ利回りの複利で資産を運用することは困難ですので、実はあまり実益のあるものではないかもしれません。
目標利回りの設定と、その目標利回りが達成された場合の結果を想像することで楽しみには使えます。
また、この法則の話を持ち出すことにより、「複利1%だと元本倍になるのに72年も掛かりますよ。10%だと7年ちょっとで倍になるんですよ。」という法則への不思議さへの好奇心とともに話を引きつけることが可能となります。


なぜ「72」又は「70」なのか。これは数学的にはテイラー展開の応用例で計算出来ます。年利r%が複利でn年回ると、元金は、(1+r/100)^n(n乗)倍になるので、これが2になるという式をnについて解けば出ます。(1+r/100)^n(n乗)=2の両辺の自然対数を取って割ると、n = log2/log(1+r/100)になる。ここで、logのテイラー展開(マクローリン展開)が、
log(1+x) = x −x^2/2 + x^3/3 − x^4/4 + …(注:^xはx乗)
であることから、1次の項までとってlog2/log(1+r/100)に放り込むと、ほぼ100log2/rになります。100log2は約70なので、70の法則が導けます。(神永正博先生のサイトより
細かくは、log2は0.693で約70、だから70の法則ということです。
数学的な詳しい解説はこちら。
エクセルでの計算の仕方の解説はこちら。

ここで興味深いことに気が付きます。
数学的には「70の法則」なのに、一般的には「72の法則」としての方が広く知られているように見受けられます。
「70」より「72」という数字の方が「神秘性」を感じる気がしませんか?本当のところは何故だかは分かりませんが、72の法則は不思議さをわきたてるためにに70の法則よりも広まっているのかもしれません。

さて、72の法則(70の法則)は実際の計算結果とどの程度離れているのでしょうか。(下の「続きを読むをクリックしてお進み下さい」)


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2010年12月28日

BRICs、VISTA、NEXT11 、MENA とは

[PR]Twitterにて主に自分の関心事の経済系のニュースやネタをクリップしたり雑感をツイートしています。



これからの長期投資による資産運用を考える際に新興国の経済成長について考えることは外せないと私は思っています。
ここでは、「どこの国がこれから成長するの?」というのを考えるときに知っておくべきキーワードがあります。代表的なBRICs、VISTA、NEXT11、MENAについて整理しておきます。

○BRICs(ブリックス)
BRICsは経済発展が著しい代表的な4ヶ国の総称です。
新興国と呼ばれる下記の国々の総称として最もメジャーな名称です。
ブラジル (Brazil)
ロシア (Russia)
インド (India)
中国 (China)
の頭文字と複数系のsでBRICsと言います。
BRICsという言葉は、ゴールドマン・サックスのエコノミストであるジム・オニール氏によって書かれた2001年11月30日の投資家向けレポート『Building Better Global Economic BRICs』で初めて用いられ、世界中に広まったものです。
BRICsという言葉が広がる中で他の人々により、BRICsの派生語として、南アフリカを入れてBRICSとしたり、インドネシアを入れてBRIICsと言われることもあります。さらにその次に有力なのは、南アフリカとかインドネシアあたりが有力視されているのだなと思っておけば良いのだと思います。

下記のサイトから原文(英語版)を読むことが出来ます。
http://www2.goldmansachs.com/ideas/brics/building-better.html

なお、一般的な解説では、同じくゴールドマン・サックスの2003年10月1日レポート『Dreaming with BRICs: The Path to 2050』(BRICsとともに見る夢:2050年への道)がBRICsの名付けをしたレポートとされることが多いのですが、うんちくにしかなりませんから、個人投資家が気にする必要はありません。
こちらのレポートも、下記のサイトから原文を読むことが出来ます。
http://www2.goldmansachs.com/ideas/brics/brics-dream.html
残念ながら日本語版が見つからないのですが、結論は、
・2050年の国内総生産(GDP)は、中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシアの順番となっている。
・中国のGDPは、2007年にドイツ、2015年に日本、2039年にはアメリカを抜き、2050年には世界最大の経済大国になっている。
です。2010年に中国のGDPが日本を抜くことは確実視されていますから、5年早まったことになります。2003年時点の予測なので仕方ありません。

ゴールドマン・サックスは、2007年3月28日の経済予測レポート『More than an Acronym』の中

こちらのゴールドマン・サックス・アセットマネジメントのサイトをたまにチェックするのが良いでしょう。嬉しいことに日本後で読めます。
http://www2.goldmansachs.com/japan/gsitm/report/jim/



VISTA、NEXT11 、MENA は下記「続きを読む」をクリックしてお進み下さい。



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