2016年01月23日

下げ相場の時にこそ考えたい「投資の出口」

2016年のマーケットなかなかは熱いスタートになりました。
年初からほぼ連日の下落、1月21日(木)の日経平均株価は1万6000円割れ寸前まで下落し、年初からの下げ幅が3000円を超えました。そこから、日本時間の21日深夜にECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が近い将来での追加緩和を示唆したことで、1月22日(金)の日経平均は941円高と大幅に反発し、1万6958円53銭で終えました。1月22日末の時点で日経平均は昨年末から10.9%のマイナスになっています。
160123 日経平均年初下げ.png
日経(2016/1/22)「資源など幅広く売られる 日経平均1万6000円割れ寸前」より

日経平均だけでなく、世界中の株式が売られ、円高も進行していますから、長期投資目的でグローバル分散投資をしている投資家のポートフォリオは年初から下がっていることでしょう。
こういう時、いい気分にならないのが心情です。
「株価が気になって仕方がない」「下がったところで買い増ししたらもっと下がってもうアカン」「吐き気がする」といった声が聞こえてきました。

私としては、長期運用目的で投資しているポートフォリオに何かスタンスの変更はあるか?
ありません。
それはなぜか?
長期投資を目的としている以上、長期投資のポートフォリオを今売る予定がないからです。今売る予定がないものが価格が下がっても気にしても意味がありません。「マーケットで’平時に’あり得るボラティリティだよね」というくらいです。

プロスペクト理論という行動ファイナンスの研究でも明らかにされているように、人間は、儲けたときの喜びよりも、損したときの痛みの方が大きいため、含み損というのは精神的につらいものがあります。
そうすると、投げ出しちゃったり、諦めて見ないようにする、「投資なんてするもんじゃなかった」と後悔する、というように、損に向き合いたくないという心理に陥りやすくなります。

こういう時は投資の目的は何で、どうゴールへ辿り着くか?ということを原点に立ち返って考えることが大事なんじゃないかなと思います。
遠い将来に向けた資産形成のための長期投資であるのなら、どういうゴール(投資の出口)を予定するのか、というのを、現時点で私が自分の資産運用で考えている点についてポイントを少し挙げてみました。
来月の住宅購入資金の頭金がなくなった、というような場合は確かにあたふたしなくちゃいけませんが、それは、長期投資ではないのでここでの議論からは外れますし、リスクの取り方に難があったという問題です。

○保有期間をどれくらいで想定しているのか?
期日で定めていません。「いつになったら売ろう」ということを期間を軸には考えていません。
強いて言えば、今の自分の年齢から、20~30年後と考えています。
なので、私の長期投資は、2040年とか2050年の世界経済がどうなるか、世の中の産業が将来どう変わっていくのか、という視点を持って行っています。
そこを目指して、買ったものは基本的には持ち続ける、というスタンスです。

○じゃあどういうときに売るの?
ほとんど売ることはないのですが、たまにあります。それには、いくつかのポイントがあると私は思っています。
・ポートフォリオをいじる判断(特に大きく動かす場合)で「売り」をする時は、「買った時に持っていた買った理由や考えていた前提条件が覆った時や判断の誤りを認識した時」と「明らかに割高だと認識した時」というのが基本ポリシーです。

―「買った時に持っていた買った理由や考えていた前提条件が覆った時や判断の誤りを認識した時」
間違いを認識した時や投資時から前提条件が変わってしまった時には、いさぎよくポジションを修正します。
当初のポートフォリオにこだわりすぎるのも意味がありませんし、人間は往々にして判断を間違えます。過去は変えられませんが、今と将来は変えられますので、今から出来る最善の意思決定をすべきです。
長期投資の要諦において、売買は、価格がどうなりそうかを考えるのではなく、価値と価格のギャップがどうか、で判断します。
価値については現在の価値も大事ですが、その価値が長期的に上がっていきそうなのか、という視点も重要です。長期的に価値向上が見込まれる場合には現在の適正価値で買っても長期的にはリターンを得られるでしょうが、長期的な価値向上が見込まれない場合には現在の適正価値で買ってもリターンが上がることは期待できません。長期的に価値向上を見込んでいたアセットクラスや個別の投資対象が、買った時の判断が間違っていたか、状況変化により前提が変わった場合、利益が出たか損失の状態かに関わらず、その資産はポートフォリオから外すべき(売るべき)と考えます。

―「明らかに割高だと認識した時」
長期的に価値向上が見込まれる資産であっても、現在の価値からして明らかに価格が割高であると認識した場合、その資産は売ってしまって構わないと私は考えます。
明らかに割高だという評価が正しければ、それがいつになるかは分かりませんが、いずれ価格は適正価値のレンジへ収まるはずなので(いつになってもそうならなかったら、評価が間違えていたのでしょう)、その時にまた悠々と買えばいいわけです。
ただ、この明らかに割高だという価値評価は個々人の主観にしかなりませんし、その時のマーケットや経済情勢から見た総合判断で考える、としか言えません。
なので、他人にこの売買基準をお勧めするのが良いとは私も必ずしも思ってはいません。
価値評価が分からない、自分には分からない、そもそも常にマーケットは効率的であるので割安も割高もないのだ、という人は、時間分散等をしながら主観を排した方がいいのかなと思います。

・また、私個人として、将来的に「こうなったら売るだろう」というのは、目標資産額に達成した場合を1つ想定しています。現在は目標資産額にはまだ遠いので、具体的にどうするかは決めていませんが、私の投資の一応のゴール設定には、インカムゲインで生活に必要なキャッシュフローをカバーされる範囲をどれだけ広くできるか、を意識しています。もし仮に、インカムゲインで生活に必要なキャッシュフローをほぼ完全にカバーできる資産状況にでもなったら大きくアロケーションを動かすと思いますので、「今のポートフォリオを売る時」になるのかなと思います。
インカムゲイン目的中心のポートフォリオがどういうものかというのも、その時の金利状況や経済情勢にもよりますので、その時にジャッジすべき話です。

○結局のところ
自分の投資行動が自分の人生に良い結果をもたらすであろうことを信じられるかどうか。
これが長期投資を続けるための前提条件になるかなと思います。下げ相場で弱気になるのは、これが信じられていないか、自分のリスク許容度を超えてリスクを取りすぎてしまっているか、の可能性が高いです。
投資というのは、自分の考えに固執しすぎるのも、ポリシーや投資哲学が定まらないのも、うまくいかないことを招く要因になります。
あと、人の意見や考えが自分にとって参考になったかどうか、何か自分の方法を向上させるアイデアがあったかどうか、ということを考えることは有益ですが、他人の動向に左右されたり、ましてや口出ししたり攻撃的に批評したりするのは、意味がありません。

○マーケット雑感
私は、コア・サテライトというような投資方法で、コアより割合の小さいサテライト部分では自由な売買を気が向くままに行うことがあります(基本はキャッシュを置いているだけ)。
最後はどうでもいいコメントですが、2015年8月下旬のチャイナ・ショックの時点よりも、今回は、緩和期待で押し上げられたマネーの動きがそろそろ方向感が定まらなくなってきた予兆が見えてきた気がします。特に日本は、アベノミクスの玉切れ感と、日銀の緩和政策が限界が見え始めてきた、というのと合わせ、日経平均は為替水準に影響を受けますが、120円代から大きく円安に向かっていきそうにはなさそうだ、というあたりをマーケットは折り込みに行っているように見えます。日銀の追加緩和でETF買いはまだあるかもしれませんが、GPIFといった分かりやすい買い手も不在になってきたことも気になります。
2016年初のグローバルマーケットの下げは、アメリカの緩和政策から利上げ局面にきたこと、原油価格の大きな下落で中東のオイルマネーが世界中の投資資金を引き揚げているからだという、もっともそうだけど、どこまで本当かよく分からない理由が挙げられていますが、日経平均に関しては少し慎重な見方も持っておいた方がいいかなということで、お遊びもリスクを大きく取るのには慎重に、というスタンスかなーと思っとります。

【関連記事】
・2015/12/31 2015年のマーケットと本ブログの振り返り
・2015/8/25 日経平均下落や世界同時株安に長期投資家はどう対処すべきか
・2015/9/5 MUMS藤戸氏の日経平均予測(マネーの羅針盤)「下がった時に弱気になっていては株式投資は儲からない」






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