2015年08月22日

私の今までの投資遍歴(3) 銀行からの定期預金キャンペーンのお誘いと金融商品セールスを受ける

前回「私の今までの投資遍歴(2) 2000年半ば ライブドアショック前後から・パリバショック前後まで」からの続きです。

2007年8月のパリバショックのあたりから、ほとんどの投資ポジションをいったん閉じていました。
そうすると、ネット証券の資金を預金に戻したり、仕事の収入も預金のままにしておきますので、銀行預金の残高が増えていきます。
明確な時期は覚えていませんが、この頃から、銀行からセールスの勧誘の電話がたまに来るようになりました。
「投資信託いかがですか?」みたいなお電話です。「興味ないですねー」と言うと「パンフレットだけでも送らせて下さい」なやり取りを何度かしました。
2008〜2010年前後だったと思いますが、ある時、定期預金の金利優遇キャンペーンのお誘いがありました。金利優遇キャンペーンは、3ヶ月〜半年程度で定期預金の金利を高めに設定して、預金を呼び込む古くからの銀行のプロモーションです。大した金額ではないのですが、どうせ使う予定のない寝ている資金で数万円のフリーランチをもらえるのなら頂いておこうと思い、申込みの意思表示をすると、窓口へ来るように促されました。

ちゃちゃっと手続きをして、ゴルフの打ちっぱなしの練習に行こうと思って、道具を持っていったのを覚えています。
すると、なんか、話を聞かないといけないということに・・
窓口「定期預金のキャンペーンの申込みありがとうございます。この申込みにあたっては、いろいろな他のサービスのご案内を聞いて頂くと言うのが条件になっておりまして・・・」
私「え?聞いてないんですけど。出直すのも面倒なんで、早く終わるようお願いしますね」
窓口「ではこちらへご移動下さい」

通常の窓口とは別の階の、ちょっと広いフロアーの窓口へ案内されました。平日の昼間だったので、他には誰もいませんでした。

後で分かったことですが、このように「優遇」というキャンペーンで個人顧客を呼び寄せて、投信販売や保険販売に繋げていくというのが、銀行のセールスプロセスです。顧客の預金残高を見て電話出来ますし、顧客側も、預金口座のある銀行から電話が来ると、「何かトラブルでもあったのか?」ということも想定しますので、いきなりガチャ切りされるリスクも低い、最強の金融セールスの営業ツールです。

おばちゃん行員が出てきました。(以下、「おばちゃん」)
おばちゃん「本日はお越し頂きありがとうございます。いくつかご案内をしたいのですが、今までに投資のご経験はありますか?」
私「ネット証券で株式の売買とかはやったことあります」
おばちゃん「外貨での運用はいかがでしょうか。今の円預金を外貨預金にいたしませんか?」
私「え?銀行の外貨預金って、ドルで片道1円くらいの手数料を取られるんですよね?銀行で外貨預金って何かメリットあるんですか?」
おばちゃん「金利も高いですし、円安になれば為替差益も期待できます」
私「いや、そういうことじゃなくて、外貨にしたかったら、他の手数料が掛からないサービスを使いますよね」
おばちゃん「すいません。他行のサービスのことはよく存じ上げておりませんので・・」
私「外貨預金じゃなくても、FXでレバレッジ1倍でやる方が手数料掛からないですよね?」
おばちゃん「FXの取り扱いなどはしておりませんので、よく分かりません・・」
私「・・・・。まあ、外貨預金は大丈夫です」

今から思うと、おばちゃんのセールスプロセスは0点でした。顧客の属性や、どういうニーズや、運用の意向などがあるかを全く探ることもなく、いきなり商品を当ててきました。声のトーンも低いし、明るい感じもありません。
金融商品の提案には、相手がどのようなニーズがあるか、特に、顧客本人が気づいていなかったり認識がなかったものを気付かせて、そこから解決手段として始めて商品を持ち出すのが、あるべき基本プロセスです。優秀な人ほど、この問題提起(「ニーズ喚起」と言われます)がうまいわけです。そして、費用対効果を考えた経済合理性はともかく(多くの場合、銀行の立場からは、「最後の方まで説明しない」か「曖昧にする」ことが正しい)、断る理由を取り除いて勧誘していくのです。

次は、保険です。
おばちゃん「保険には入ってますか?」
私「特に必要性を感じていないですね」
おばちゃん「個人年金保険などいかがでしょうか?」
私「個人年金保険は入ってないし、入るつもりはあまりありませんね」
おばちゃん「必要ないですか?」
私「必要ないですね」

少し粘ってましたが、反応がないのでおばちゃんも諦めました。
恐らく、個人年金保険は初年度の支払額の30〜40%程度のコミッションが銀行に入っていたと思いますので、お勧め商品だったんでしょう。






次は、投資信託です。つまらなそうな投資信託のパンフレットを出してきましたが、私があまり興味がなさそうに並べられたパンフを見つめていたら、おばちゃんが黙っておもむろに立ち上がり、どっかに行くと、若い新人っぽいお姉ちゃんが出てきました。(以下、「新人ちゃん」)

新人ちゃんは、最初、「仕事何やってるんですか?」とか他愛のない会話をしてきて、明るく場を和ますのとともに、情報を引き出していたようでした。
結局、投資信託の勧誘の続きなのですが、当時始まり出した通貨選択型投信を出してきました。
複数のリスクを同時に取ることにどういう意味があるのか?とか、商品の仕組みについて突っ込んで聞いていくと、「私、分からないんで、ちょっと待ってて下さい」と言って席を外し、おばちゃんが戻ってきました。

私「この通貨選択型の外国通貨部分はデリバティブを使ってるんですよね?現物の為替とこのデリバティブの値動きの関係や、運用コスト的な面での現物との違いはどうなってるんですか?」
おばちゃん「ええと、こちらは、株式と通貨の両方から利回りを得られる商品になっています」
私「そうじゃなくて、現物為替とデリバティブの関係を伺ってるんですが」
おばちゃん「この選んだ通貨に連動する値動きをします」
私「連動することは分かってますが、デリバティブ特有のものはどうなってるんですか?」

おばちゃんは、ここで説明を諦めて、「ちょっと待ってて下さい」と言って、副支店長の名刺を持ったおじさまが出てきました。(以下、「副支店長」)
副支店長は商品知識はおばちゃんよりも豊富で、運用会社から直接の説明も受けているようで、おばちゃんよりだいぶ話が通じました。

この通貨選択型投信の通貨の選択の中には人民元が入ってました。中国に口座を作りに行く以外の方法で、長期的に人民元にいくらかを置いておくことには興味があったので、「人民元って規制通貨で簡単に現物の売買も出来ないじゃないですか。そんな通貨でのデリバティブなんて、どういう取引市場での売買で、特有のリスクの有無や、現物との値動きに違いはあるんですか?」という話をしていたら、副支店長も「すいません、そこまでは把握しておりません。確認してご連絡しますね」と、よく分かっていないようでした。
もちろん、後日、「確認してご連絡」を頂くことはありませんでした。

仕組みも説明できないものを平然と勧誘しているのかというのと、全体的な販売窓口の説明のレベルにびっくりして、「世の中、よくこれで業務が回っているものだな」と衝撃を受けました。この業界(個人向け金融サービス業界)は、何かおかしいのかも、という印象も残りました。
今思えば、銀行の個人顧客で、商品の仕組みをこんなに突っ込んで聞いてくる人はいないでしょうが・・

次回に続きます。

【関連記事】
・2014/12/29 銀行の投信販売現場に行ってきました。親が銀行のお客様(上カモ)だった!(その1)
http://money-learn.seesaa.net/article/411474440.html
・2014/12/30 銀行の投信販売現場に行ってきました。親が銀行のお客様(上カモ)だった!(その2)
http://money-learn.seesaa.net/article/411533719.html

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