2015年07月11日

インデックス商品(ETF及び投資信託)による長期志向でのグローバル分散投資のメリット・デメリット

資産運用の方法は様々ですが、私は資産運用において、主に、インデックス商品による長期志向でのグローバル分散投資を行っています。投資対象は、世界中の株式・REIT・債券が中心です。
インデックスというのは、株で言うと日経平均とかダウ平均とか上海総合指数といった、マーケット(市場)をまとめた指数のことで、ETFや投資信託がパッケージとして市場を買うことが出来る金融商品として売買が可能です。
(参照)
2015/1/3 【謹賀新年】2014年末のポートフォリオ・保有銘柄・パフォーマンスなど
http://money-learn.seesaa.net/article/411707647.html

本稿では、私が考える「長期志向によるグローバル分散投資」の実務上のメリット・デメリットを3点ずつ挙げていきたいと思います。

<メリット>
・時間・手間が掛からない(経済成長に任せてほったらかしにしておけばよい)
この点は、私が現在最も重視している点です。平日の日中は仕事のため、仕事時間中にマーケット動向が気にならないようにすることと、資産運用のメンテナンスやチェックの手間も最低限にして労力をミニマムにしたいという意向があります。リスクポジションをどう取っていくかという点も極めて重要ですが、ここは別途書いていきたいと思います。
長期投資と言う心構えをもって実践していくことは簡単ではありませんが、きちんとした方法を身に付けば、心の余裕も生まれ、長期的にはパフォーマンスも出して行けます。
資産運用に必要以上に時間を掛けるよりも、本業での自身のファンダメンタルズバリュー(自身の稼ぐ力やキャリア向上)を上げる方が良いという考えです。私の場合は単に面白いのでマーケットをウォッチしているというのはありますが、資産運用のキャッシュフローやリターンは努力に対する成果が不確実ですが、相対的には仕事のキャッシュフローは努力に応じて安定するので、このバランスが大切と考えます。私の目標は、インカムゲインで最低限の生計を立てられる状態がフィナンシャルゴールと設定していますが、現在は仕事の比重が重視される状況です。

・特定の企業や地域の個別要因により値下がりする影響を最小限に抑えることができる
長期での運用の中では何が起こるか分かりません。例えば、東京電力という会社は、2011年の東日本大震災を機に、超優良配当銘柄から一気に政府支援がないと存続できないクソ株となり、株価が1/10になりました。東日本大震災以前に、原発問題が顕在化すると本気で思っていた人はほとんどいないでしょう。
個別銘柄は、このように、時として激しいリスクの顕在化に直面することがあります。
特定の企業・国・地域という個別要因をなくすためには、分散投資により個別要因の影響を抑え、なるべく個別のニュースにあたふたしないでおくことが肝要となります。

・誰にでも実現可能で、長期(何年、何十年という期間)で続けるほど効果が出る可能性が高い
自分の投資先のファンダメンタルが長期で成長することが見込まれ、時間の経過とともにその成長が実現していけば、途中経過の上げ下げはあれ、インフレ率を超えた投資の成果(リターン)を享受することが出来る可能性は高いです。
これは、誰にでも出来る再現性のある方法で可能であり、特殊スキルは必要ありません。

<デメリット>
・他人を出し抜く高いリターンは望まない方がいい(数年や短い期間で投資額を数倍、数十倍にしたい人には向かない)
これは、メリットによるリスク分散の逆ですが、長期にわたるインデックス運用は安定運用を行うものである以上、個別株投資のように短期間や数年のうちに一財産を築くことは困難です。
世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏は、誰よりも長期志向ではありますが、個別企業への集中投資により財を成しています(ただし、バフェット氏ですら金融マーケットで他人を出し抜くことは容易ではなく一般人にはインデックスの分散投資を推奨しています)。
これは、アクティブ投資家が「インデックス投資は面白くない」と批判する理由でもあるかなと思います。ポートフォリオや投資法にもよりますが、バフェット氏は1990年から2012年まで年率平均19.7%の運用利回りを得ていますが、超長期でインデックス商品中心のグローバル分散投資で実現可能なリターンは、複利で3〜7%程度かなと推測しています。

・短期的には利回り以上の資産価格の変動がある(心理的に「長期」というのが長すぎるので利回りの実感が難しい)
長期グローバル分散投資というのは、5年単位・10年単位・何10年という長いスパンで投資の成果を上げていく運用手法です。
株式の期待リターンよりも変動率の方が大きく、10年で年率5%のリターンが出ても、そのプロセスでは年率の変動率は通常20〜40%程度生じます。そのため、長期で放置している過程では、必ず前の年よりも損をするという事態に直面します。
人間は、遠い将来よりも明日、明日より今日という、近視眼的に物を見る生き物なので、口では言えても、腹の底からは、なかなか「長期志向」にはなりきれません。
これにより、特に投資初心者は、パフォーマンスの悪い時期に耐えられなくなって離脱してしまい、うまくいかなくなるというパターンが発生します。積み立て投資をしている場合で、投資対象が間違っていないという前提ですが、マーケットが悪い時にこそ新規投資を継続すべきなのですが、目先の成果が出ないから止めてしまう、という行動が見られます。
逆に、現在のようなアベノミクスによる上げ相場は、あたかもどこまでも続くかのように、新規投資の参加者が増えることになります。
積み立て投資をするなら機械的に長期間やっていけばいいのですが、このような心理バイアスにより、長期に続けるのは意外と難しいということは実行面でのデメリットになります。

・マーケットが暴落すれば損をする(*リスク管理によりゲームオーバーを回避することが重要)
長期で買いポジションを持っていると、マーケットの暴落時には損失が発生します。こつこつと成果を上げていっても、マーケットの暴落時に換金ニーズがぶつかると、今までの成果は水泡に帰すことになります。
マーケットには金融ショックというものが定期的に訪れます。マーケットが良い時には、「金融システムの近代化により金融ショックは起きずらくなった」だの「時代は変わった」だのと喧伝されますが、過去、それが実現したことはありません。「時代は変わった」という論調が増えると、むしろバブルを疑うべきです。
せっかく長期に渡って資産形成を続けて行っても、換金するタイミングの出口で資産価格が暴落していたら元も子もありません。また、タイミングを間違えると、ゲームオーバーになる可能性があるので、ゲームオーバーは絶対に回避しないといけません。1番いけないのは、退職金の全額をいきなり投資商品に回す、というような行動です。
そのため、運用ポジションのリスク管理は怠ってはいけませんし、生活上の大きなキャッシュアウト(子どもの学校の入学金や住宅購入の頭金)が数年内に見込まれる場合は、早めにキャッシュを準備しておく必要があります。このようなリスク管理には一定の習熟度と金融リテラシーが必要なので、実務上の留意点として挙げておきます。


また、長期運用を志向すればするほど、金融商品のコストというのはリターンを下げる要因として重要になるので、低コストの商品(ETFやインデックス投信)を選択することが合理的です
相場感や商品選択眼に自信があれば、個別株やインデックス投信よりも手数料の高いアクティブ投信を買うことは構わないと思いますが、アクティブに動けば動くほど時間や手間の労力は増えますが、結局、凡人には長い目で低コストのインデックス運用よりも優れたリターンを再現性をもって出すことは容易ではないことを認識した上で、アクティブに動くことが良いでしょう。

【関連記事】
・2014/12/27 アベノミクスの行く末と、個人投資家としての中長期の投資スタンスを考える
http://money-learn.seesaa.net/article/411362434.html
・2014/12/23 モーニングスターETFカンファレンス2014に行ってきました。2015年の投資スタンスは「用心深く、楽観的に」(朝倉智也社長)で
http://money-learn.seesaa.net/article/411149960.html


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