2015年01月08日

バイロン・ウィーン氏の2015年10大(14大)びっくり予想

毎年恒例のBlackstone Advisory Partners副会長のバイロン・ウィーン氏による10大びっくり予想です。
バイロン・ウィーン氏は、長年モルガン・スタンレーのストラテジストを勤め、2005年にヘッジファンドのピークス・キャピタル・マネジメントへ移籍、2011年現在ブラクストン・アドバイザリー・パートナーズ副会長になっています。
びっくり予想は、ウィーン氏がモルガン・スタンレーに在籍していたときから毎年続けられていて、1986年から続き、今回30回目となります。
あくまでもサプライズやリスクシナリオを含む「大胆予想」なので、過去の的中率は必ずしも高くないものの、毎年必ずいくつかの項目が的中するということが、注目を集め続ける所以と言われています。2014年は、下記サイトで日本語訳がありますが、振り返って見てみると、当たり外れはともかく興味深い内容が含まれています。
http://mybigappleny.com/2014/01/06/byron-wien-2014/
1 S&P500は、作家チャールズ・ディケンズの「最高であり、最悪なときだった」という言葉通りの展開に突入する。地政学的リスクおよび高揚相場の反動で、まず10%の調整へ。ただし、年末までに20%高の見事な反発を遂げる。
4 安倍首相は、「財政赤字など問題ではない」と主張したチェイニー元副大統領が正しかったことを証明するたった一人の元首となる。すなわち財政・金融政策両面で積極的な拡大路線を突き進み、日経平均は年初に1万8000円を突破。もっとも消費税増税に加え、高齢化と労働人口の減少が打撃となり下半期に20%の調整へ。
など。
「7. 米国で産油量が増加するも、WTI原油価格は110ドル超えへ。途上国経済の需要が先進国の消費量減速を完全に相殺する。」は完全に逆に行きましたね。

ここでの「サプライズ」の定義は、「平均的な投資家は1/3程度の確率でしか起こらないと考えているが、 ウィーン氏は1/2超の確率で起こると信じている事象」とされています。
逆張り予想とも言えます。
ただ、年初に年末のマーケット予想というのは意味はあまりありません。今年起きる突発的な事象というのは毎年必ずあり、それを読むことは出来ず、そういう事象も含めてマーケットは動いていくからです。現在の延長線上と起りそうな事象をどう他の投資家が織り込んでいるのかは大事ですが。
いずれにせよ、「お楽しみ」くらいに味わっておくべきでしょう。

下記がバイロン・ウィーン氏の2015年10大びっくり予想の内容です。日本については、5番目に、日銀の量的緩和効果が薄らぎ、円安は進行し、株価は横ばいという予想が示されています。
原文はこちら↓
Blackstone(2015/1/5)「Byron Wien Announces Predictions for Ten Surprises for 2015」
http://www.blackstone.com/news-views/press-releases/details/byron-wien-announces-predictions-for-ten-surprises-for-2015

Byron’s Ten Surprises for 2015:
(日本語は、安田 佐和子さんの記事を参照)
http://agora-web.jp/archives/1627166.html
1. Fedの第1弾利上げ、2015年半ば以前に開始へ
雇用指標が改善し、強い成長率に支えられ2015年半ばより利上げ前倒しへ。しかし、経済の推進力がたれ下がりはじめて、短期の減速が始まると、タイミングは故障であると判明することになる。短期的な景気鈍化を迎え株式は調整入り。長期金利は低水準を維持しイールドカーブはフラット化する。

2. サイバー攻撃が悪化
個人や企業問わずハッカー攻撃は止まらず、Fedをはじめ中央銀行は取引確認作業のため5営業日にわたる取引停止を余儀なくされる。サイバーセキュリティをハッカーが打ち破り、様々な政府機関も、攻撃の魔の手から逃れられないだろう。

3. 米国株の好調は2015年も継続
住宅投資、設備投資、好調な決算を追い風に強い経済成長を謳歌するため、S&P500は15%の上昇へ。主要国を中心にアウトパフォームする。

4. 欧州中央銀行(ECB)は国債・住宅ローン担保証券、社債を買い入れへ
マリオ・ドラギECB総裁は国債、モーゲージ債、社債といった広範に及ぶ量的緩和(QE)を決断するが、欧州は深刻な景気後退入りへ。ドイツが特に主要な貿易パートナーの需要減速を背景に、輸出面で大きな打撃を受ける見通し。ユーロ圏の政府は財政支出拡大を通じた選択肢を採用できず欧州株は下落し、それぞれの政府は危険なまでに右傾化が進む。

5. 日銀による「衝撃と畏怖」、2015年は影響力喪失
異次元緩和の効力は失われ消費税増税見送りも空しく、に2014年7−9月期に始まった景気後退は2015年全般も継続。対ドルでの円安が進む中、日経平均横ばいで推移へ。

6. 中国の成長率、7%割れへ
財政・金融刺激策を投入しても7%成長は不可能となり、ハードランディングを回避する意味でもせいぜい5%成長止まりとなる見通し。信用(クレジット)をベースとした国営企業投資あるいは国営インフラ投資に依存するのではなく、経済成長の軸を消費者へシフトさせる必要性を認識していく。インフラ整備は住宅や道路から、大気汚染や水道に振り向けられる。雇用の伸びが減速し抗議活動につながるものの、過剰な暴力行為は抑制される。

7. 原油安がイランを直撃、原子力開発を停止へ
経済制裁に加え原油安の憂き目に遭い、イランは景気悪化に喘ぐ国民からの要請もあって核開発の停止を余儀なくされる。ニュースを受け、中東地域の株価は一時的に上昇へ。


8. ブレント原油先物は40ドル割れへ
ブレント原油先物は上半期を通じ下落を続け、40ドル台に突入へ。深刻なダメージに悩むロシアはウクライナと平和協定を締結し、東ウクライナの自治権を承認する。プーチン露大統領は経済回復を目指し国際社会への復帰を目指すが、ついにロシア国民から見放され支持率は急低下。年末には辞任に追い込まれる。一方で、原油先物は下半期に持ち直し、エマージング諸国の需要を背景にWTI原油先物とブレント原油先物の両者は70ドル台を回復する。

9. ハイイールド債と米国債のスプレッドは縮小へ
原油安の加速を受けた2014年末ハイイールド債の下落は、絶好の買い場となる。米国債とのスプレッドは半分へ縮小し、米経済の視界にリセッションの影が一切差さないなかで、ハイイールド債はベスト・パフォーマーとなる。

10. 共和党、多数派の威力をフル活用
共和党は米上下院で多数派を獲得してからは、法案可決へ努力する。キーストーン・パイプラインは最終的には承認され、一部の税制変更や移民制度改革も可決する。2016年米大統領選でのヒスパニック票田確保をねらい、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事を共和党の大統領候補へ押し上げていく。

さらに、それほど重要でないもの、実現可能性がより低いもの4つを挙げられています。

11. 水が環境問題のセンターステージへ
米西部から、人口の大多数が安全な水を飲まないインド・中国まで水不足が深刻化し、二酸化炭素問題より重要視される。

12. インターネット、アプリを通じたサービス業が問題に直面
ウバー、エアビーアンドビーなど、税制など当局による規制・干渉を受け業績悪化へ

13. ブラジル経済が予想外の好転へ
第2次ルーセフ政権は社会主義寄りの政策を捨て、ビジネス寄りの政策を打ち出し、原油価格の低下を乗り越え成長と株価の回復につなげる。ブラジルは再度、新興国への投資家のお気に入りになる。

14. ヒラリー・クリントン、大統領選に立候補せず
ヒラリー・クリントンは、大統領選に立候補しないと決める。 彼女は、ジョブ・ブッシュが、オバマに多数の賛成票を投じたヒスパニック票を吸いあげることを恐れている。 多くの自由主義者はクリントンに幻滅を感じて、彼女に賛成の投票をできない。 彼女は初の女性大統領にはなりたいけれども、彼女は負けたくない。
(14については、ウィーン氏は好ましいと思うが、50%以上の確信は持てないという見解です)




【関連記事】
・2013/1/3 バイロン・ウィーン氏の2013年10大びっくり予想 びっくり予想がブームに!?
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・2011/1/11 バイロン・ウィーン氏の2011年10大びっくり予想
http://money-learn.seesaa.net/article/180206948.html
・2014/12/27 アベノミクスの行く末と、個人投資家としての中長期の投資スタンスを考える
http://money-learn.seesaa.net/article/411362434.html
2014/12/23 モーニングスターETFカンファレンス2014に行ってきました。2015年の投資スタンスは「用心深く、楽観的に」(朝倉智也社長)で
http://money-learn.seesaa.net/article/411149960.html
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