・「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2013」の公式ページ
http://www.fundoftheyear.jp/2013/
Fund of the Year は、証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。
投票資格は「投信ブロガー」であることで、投信ブロガーか否かの判断は運営委員会が行います。自分の票が有効になったのかどうかはよく分かりませんw
投票者一人について5ポイントを持ち点とし、この5ポイントを1つから5つまでの投資信託に振り分けて投票する仕組みです。
今年の投票先は、iシェアーズ エマージング株ETF(MSCI エマージング IMI)(証券コード:1582)に5票としました。
iシェアーズ MSCI エマージング IMIは、ブラックロック・ジャパンが本年(2013年)の7月17日に東京証券取引所に上場させた、3本の海外株式ETF(上場投資信託)のうちの1本です。
理由は、米国株式で扱われている同種の「iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF (EEM)」は信託報酬が0.69%であるのに、iシェアーズ MSCI エマージング IMIは信託報酬が0.18%という極めて投資家に便益のある設定をしたことです。
2013年11月19日のデータによると、純資産総額は2,865億円となっており、同日の7月17日に東京証券取引所に上場したiシェアーズ 先進国株ETF(MSCIコクサイ) (1581)の純資産総額538億円(管理報酬は0.25%)、iシェアーズ フロンティア株ETF(MSCIフロンティア100) (1583)の純資産総額352億円(管理報酬は0.79%)を大きく上回っています。
iシェアーズ MSCI エマージング IMIが信託報酬が低く設定されている理由は、米国株のバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)の信託報酬0.18%に当てに行ったものだと推察されます。
お膝元の米国株ETFにおいては、新興国株式ETFはEEMが主流でしたが、VWOがより低い信託報酬で参入し、VWOのファンド純資産総額は645.9億米ドル、EEMの純資産総額は427.4億米ドルとなっており、VWOに抜かれてしまったということが起きています。日本では巻き返そうと0.18%の設定にしたのでしょうか。事実、投資対象としては先進国のMSCIコクサイの方が残高が大きくなってもおかしくないのに、MSCIエマージングの方が残高が大きくなっています。
このような理解から、ブラックロックに敬意を表し、5票まるっと投票させて頂きました。
また、両者とも新興国の株式に幅広く投資するインデックスという点では共通ですが、EEMはベンチマークがMSCIエマージング・マーケット・インデックスで、VWOはFTSEエマージング・インデックス(途中からインデックス使用のコストを理由にMSCIからFTSEに変更)なので組入れ銘柄が微妙に異なりますので、気になる方はチェックが必要かもしれません。
私は、個別の対象国への思い入れがあるのなら、その対象国のETFを買いに行きますので、新興国全体の分として、ベンチマークがMSCIかFTSEかは、あまり気にしていません。
ブラックロック・ジャパンの商品説明ページ
・iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF (EEM)
http://jp.ishares.com/product_info/fund/overview/NYSEARCA/EEM.htm
・iシェアーズ エマージング株ETF(MSCIエマージングIMI) (1582)
http://jp.ishares.com/product_info/fund/overview/TKSE/IEMG.htm
バンガード・ジャパンの商品説明ページ
・バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)(PDF)
https://www.vanguardjapan.co.jp/docs/FS_VWO_JP.pdf
なお、私は昨年はVWOに1票を投じたのですが、特定口座対応や為替手数料等を考えると、日本株で同じような商品があるのなら、日本株ETFの方が明らかに個人投資家にとっては買いやすいので、今後の新興国インデックスへの投資はiシェアーズ MSCI エマージング IMI(1582)にしていこうと思っています。
また、MSCIコクサイへの投資も、同じく、iシェアーズ 先進国株ETF(MSCIコクサイ) (1581)にしていく予定です。
インデックス商品は、結局のところ、コストの低いところに残高が集まっていき、残高が集まるからコストも低くなるという構造があります。
インデックス商品のある程度の寡占は結果的に投資家にも便益をもたらすことになりますが、最近、日本では各運用会社がインデックス投信シリーズを乱立させています。どうなりますことやら。
また、私は個人的には全くアクティブ運用を否定しておらず、インデックスよりもコスト対パフォーマンスで信頼の超えるアクティブ型の商品もありなのですが、正直、多くのアクティブ型の商品はコスト面が高すぎるという問題があり、残念ながら、ほとんど検討対象とはなっていません。
市場の活性化や金融市場の発達にはアクティブが欠かせませんから、面白い商品が登場し、来年は「アクティブ型の商品に5票!」と私が思えることを密かに願うものであります。
【関連記事】
・2012/11/30フロンティア市場へ投資する海外ETFが登場 投資妙味を考える
http://money-learn.seesaa.net/article/304461469.html
・2012/11/19「投信ブロガーが選ぶ Fund of the Year 2012」に投票しました!
http://money-learn.seesaa.net/article/302477817.html
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