本書は組織をどうやってマネージメントするかということを体系的に記した本です。
書いてある内容は、ビジネスマンとしての経験があれば身に染みて分かっていることだと思います。
20代半ばくらいの若手ビジネスマンや、マネジメント層の方であっても、組織設計をどうするかに悩んでいて改めて体系的に考え直したいときにはヒントが得られるかもしれません。
人に効果的に動いてもらうということは大変で、やりがいをどう生み出すか、目標設定をどうするか、プロセスをどう評価するか、などなどの諸要素の組み合わせを効果的に考える必要がありますし、組織が大きくなればなるほど組織設計は重要です。
会社のビジョンを明確に定め、そのビジョンの実現に合った組織設計をして、個々人の業績評価にマッチした
リクルーティングはビジョンを共有できる人にフォーカスをする、というのをうまくやらないと強い組織は出来ないと思いますが、きちんと一気通貫に出来ていて、さらに浸透している会社は意外と多くないのではないでしょうか。
中にはビジョンと組織風土が全くちぐはぐだったりします。
ビジネスの成否は、戦略やビジネスモデルよりも、大事なのは実行(オペレーション)。
「何をやるか」ではなく「誰がやるか」が重要であるという側面があります。
本書の特長は、体系立って構成されているので、経験があれば書いてあること自体は「分かっていること」ですが、噛んで読むとなかなか味わい深いと思いました。
MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み (PHPビジネス新書)
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若林 計志
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初版発行日 2013年3月4日
全220ページ ・新書
著者の若林計志氏は、大前研一さんのビジネス・ブレークスルーで、海外オンラインMBAプログラムの設立、大前研一教授の「経営戦略」のティーチングアシスタントなどを担当とのことです。
本書は、戦略を実行に落とし込む際のマネジメントについてで、3つのマネジメントコントロールに分けて、何を重視すべきかはビジネスの内容や企業ステージによって異なるわけですが、それぞれのプラス面・マイナス面をピックアップして、3つのマネジメントコントロールを最適に配分するためのポイントを解説しています。
3つのマネジメントコントロールは、
・行動コントロール(マニュアルに従っているかといった行動を管理する)
・結果コントロール(定めたKPIの達成を評価し、KPIを達成する方法は各人に任せる)
・環境コントロール(組織の文化をつくる経営理念や雰囲気を提供する)
という要素に整理がされています。
*本書はレビュープラス様より献本して頂きました。ありがとうございました。
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