2012年12月04日

PGMによるアコーディアへの敵対的TOB アコーディアは反対を表明 反対の論拠を読む

PGMによるアコーディアへのTOBで、アコーディアが正式に反対を表明し、経営陣に対して「敵対的」なTOBとなりました。

アコーディアは、2012.11.30にTOBに対する意見表明を一旦行わないといけないため「留保」としていましたが、11月30日までにどうしても作業がまとまらなかったのでしょう。2012.12.03に改めて「反対」を表明しました。
(適時開示資料)
・PGM ホールディングス株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ
http://www.accordiagolf.co.jp/file/pdf/ir_20121203135531.pdf
・配当方針の変更および 2013 年 3 月期(第 34 期)配当予想の修正に関するお知らせ
http://www.accordiagolf.co.jp/file/pdf/ir_20121203135459.pdf
・中期経営計画の策定に関するお知らせ
http://www.accordiagolf.co.jp/file/pdf/ir_20121203135437.pdf
(パワポでの説明資料)
・PGMホールディングスによる公開買付けについての意見
http://www.accordiagolf.co.jp/file/pdf/expl_20121203215632.pdf
(参考)
2012年11月20日開示 PGM側の主張に対する反論資料
・経営方針および2012年11月15日付 PGMホールディングス鰍フ説明資料にある指摘事項に対する当社の認識
http://www.accordiagolf.co.jp/file/pdf/ir_20121120153212.pdf

今までの経緯や資料をきちんと把握している者ではありませんので解釈に間違いがあるかもしれませんが、今回、アコーディアの主張する反対の論拠を読んでみました。
アコーディアの経営陣は優れた成長プランを持っていて、PGMと統合する以上にアコーディアの株主へ利益をもたらすことが出来るし、きちんと配当という形での還元をしていきます、という点、いきなり仕掛けてきたPGMのやり方はアコーディア株主にとって公正ではない、という点が骨子になっています。




(下記、→以下は筆者による勝手な解釈です)

反対の理由:
(一) 当社の新中期経営計画の優位性
(a) 当社の経営力(収益力)は、公開買付者の経営力(収益力)よりもはるかに優れていること
→そもそもアコーディアの方がPGMよりも規模も優っており収益力も上だし経営能力は優れています。アコーディアはPGMより当期予想での営業収益は1.2倍、EBITDA・営業利益・純利益で1.4倍。PGMなんてEBITDAが右肩下がりになってるよ。収益力が悪い会社に統合されたらアコーディアの株主にとって損になりますよ。

(b) 当社の新中期経営計画の実行により当社の収益拡大が見込めること
→アコーディアには、マルチブランド戦略、最適コストの実現、ゴルフ練習場事業の拡大、リテール事業の強化を掲げた中期経営計画という立派なものがあります(作りました)。PGMなんかよりも優れたアコーディアの収益力を最大限に活かしていけば実現可能なんです。このアコーディア独自の新中期経営計画をもって、EBITDAは当期(2013年3月期)の225億円から269億円へ年平均5%の成長が見込めます。

(c) 株主還元を重視した配当政策(連結配当性向 90%)を目指すこと
→当期(2013 年 3 月期)の期末配当金(予想)は、今までは1株当たり1,600円を予定してたけど、大サービスで1株当たり 5,500 円(総額56億円)に大幅増額変更します。当期の純利益見通しは54億円(4〜9月の半期で36億円は達成済み)で、ほとんど配当に回します。さらにさらに、稼いだ純利益の90%を目処に今後も配当していくよ。アコーディアは独自の優れた事業計画があるから、4年後(2017年3月期)は8,392円になるよ。
直近の平成24年9月末の現預金は50億円で、有利子負債は520億円あるんだけどね。ちゃんと中期計画と株主還元は出来るから任せてね。

(d) 本公開買付けは、新中期経営計画の実行等に比して、株主の皆様の最善の利益とならないおそれがあること
ア. 当社の競合会社の意に従った経営方針又は役員の変更により新中期経営計画が実行されない可能性があること
→アコーディアは独自の計画があるから今の経営陣に任せれば株主をハッピーにするんだけど、収益力がアコーディアより劣るPGMの敵対的に株を買い集められて統合しちゃったら、優秀なアコーディアの経営陣はクビになっちゃうかもしれなくて、そうしたら独自の計画は実現できなくなっちゃうんですよ。

イ. 当社にとっての本経営統合の統合効果は限定的である可能性があること
→PGMなんかと統合したってアコーディアには大きなメリットはないんですよ。既に十分なシェアもあるからこれ以上の購買のボリュームディスカウントも限られているしね。アコーディアよりも収益力の劣るPGMにはアコーディアと統合するメリットがあるかもね。けど、アコーディアの株主にとっては大損害だよ。

ウ. 目標連結配当性向 90%の配当政策が維持されない可能性があること
→アコーディアが今回示した株主への配当還元は、今のアコーディアの経営陣ならではでございます。PGMに統合されちゃったら望めないんだろうなあ。

(二) 公開買付価格の不十分性
→株価はこの1年5万〜6万円くらいで、2012年4月以降の騒動のゴタゴタといった「特殊事情」でしばらく5万円前後に株価が下がっちゃってたけど、アコーディアの収益力に大きな変動があったわけじゃないし、何か株価が過小評価されてたんだよね。TOB価格の81000円に至っても全然安いよ。
わが国における大手証券会社の一つの大和証券がDCF法によって計算したら、本来の株の価値と市場での株価にはたまたま著しい乖離があるってことも明らかになったよ。
DCF法でいくらの価値かっていう数字は出さないけどさ、事業計画を見ればTOB価格が企業価値に照らして不十分だって分かるよね。
121203 アコーディア経営計画.jpg

(三) 目的の不当性−利益相反構造の意図的な創出
→そもそも買収を仕掛けてきたPGMはライバルでね、万が一にもTOBが成功したらPGMは20〜50%位の株主になるんだけど、残ったアコーディア株主とは深刻な利益相反が起きちゃうよ。PGMが影響力を行使して、残ったアコーディア株主が損するようなことをさせられるかもしれない。
やっぱり、協議交渉というのは、公正な条件、すなわち独立当事者間の取引条件でしないと。いきなり仕掛けてきて、アコーディアの経営陣に支配力ないし圧力を行使できる特別の資本関係を構築してから圧力をかけた交渉をしたって株主のためにならない。PGMが「方針に対して消極的な姿勢の当社役員については、退任を求めていく予定」って言うから反対してるんじゃなくて、株主の利益のために反対してるんだよ。

(四) 方法の不当性−極めて不公正な強圧的買収手法の採用
→PGMは、TOB の後にアコーディアに乗り込んでって調べたら統合の条件がTOB価格よりも悪くなるかもしれない、つまり、TOBに応じなかった株主に不公正な株価で統合されるかもしれないと言っているけど、全ての株主の利益を守る経営陣の立場からは認められない。
あと、もし仮に統合をするとしても、収益力とは逆に時価総額はPGMよりアコーディアが高くなっているけど、PGMの株価は平和が8割も持っていて流動性が低いことが原因で、そんな特殊な状況の株価を基準にした統合比率は受け入れがたい。


反対を表明するロジックとして、株主にとってはアコーディアの今のままの体制の方が利益が見込める、すなわち、TOB価格によりPGMと統合すること以上にアコーディア単独で統合効果以上の収益は出るし、アコーディアの現役員陣によってのみ達成されるということが必須なので、その点をきちんと説明していますね。
2009年3月期から2012年3月期は概ね横ばいの業績であり、直近の業績推移と計画を比べるとぱっと見では強気な計画にも見えます。
さらに、配当をかなり思い切って引き上げる案を出してきた印象があります。
事業計画や配当実施の実現可能性についての明確なコミットがされて、いつかのソース会社にように嵐が過ぎ去ったらうやむやになるようなことはないことを願います(記者会見を見ていないので分かりませんが)。
また、敵対的買収では事前に相手会社の調査は出来ないので、段階的に組織再編行為をするにあたり、TOB価格と二段階目の対価を事前に約束することは買い手の善管注意義務からすれば難しいような気がします。すると、敵対的買収は、一気に完全統合するやり方じゃないと今回のような批判の対象に必ずさらされるということなのでしょうかね。

PGMは、同日(2012/12/3)、「2013 年 3 月期以降の連結配当性向を 90%とする計画であることをアナウンスしたことに関しては、その目的が本公開買付けの成立を妨げることであるとすれば大変遺憾」で、「配当予想の修正及び配当性向の維持は、同社の中長期的な成長戦略の実現並びに企業価値の向上を困難とするおそれがあると懸念」していると公表しています。

アコーディアの反対を受けて、PGMは静観のままか、新しい動きがあるのか。
アコーディアは他の株主を探しているという報道もあります。
四季報によると、アコーディアの株主属性は、<外国>23.7%、<浮動株>25.3%、<投信>5.7%、<特定株>41.6%。

さて、TOBの成否はどうなるでしょうか。

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posted by ASK at 04:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース/データmemo | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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