2012年09月20日

ポーカーでの教訓はビジネスにも投資にも通じる トニー・シェイ氏(ザッポスCEO)による勝つためのチェックポイント

靴のオンラインショップで顧客との繋がりを顧客志向のサービス・従業員志向の企業文化を徹底するユニークな会社として有名なZappos(ザッポス)のCEOのトニー・シェイ氏の著書「ザッポス伝説」を読みました。

この本の内容自体も非常にエキサイティングで面白いのですが、トニー・シェイ氏がポーカーにハマっていた時に見い出したという上手な戦略が、ビジネスにも通じるところがあり、「ポーカーから学んだことでビジネスにも生かせることをリスト」とされており、その内容が興味深いものでした。
ポーカー、ビジネスだけでなく、投資・資産運用にも学ぶところが大きいのではないかと思います。
テーブルは「マーケット」、ゲームは「取引」くらいに読み替えると分かりやすい感じがします。
内容は下記になっています。
*続きは下の「続きを読む」をクリックしてお進み下さい(トップ画面からご覧の場合)。





○市場機会を評価する
・着くテーブルを選ぶのは、自分で決められる最も重要なこと
・着いたテーブルで勝ち目がないと分かったら、テーブルを変わっても構わない
・テーブルに少々不合理なことをしたり、経験不足の人が多すぎると、最高のプレーヤーでも非常に勝ちにくい
○マーケティングとブランディング
・強い手なら弱く見せ、弱い手なら強く見せる。ブラフをするタイミングを判断する
・自分の「ブランド」が大切
・自分について人が語るストーリーが作られるようにする
○ファイナンス
・想定できる最悪のシナリオに対して常に準備しておく
・買ってゲーム数の多い人が最終的に1番多く儲けるわけではない
・ゲームで負けない人が最終的に1番多く儲けるわけではない
・リスクが最小のものでなく、期待値が大きいものを選ぶ
・プレイしているゲームと抱えるリスクに十分見合う額の手持ち資金があるか確認する
・負けても差し支えない範囲でのみプレイする
・長い目で見るゲームであることを忘れない。1回ごとに勝ち負けはあっても、重要なのは最終結果である
○戦略
・ゲームの仕方を理解しないでゲームをしないこと、たとえ大勢がそのゲームで儲けていても
・儲け金が高くない段階でゲームを理解すること
・いかさまをしない。いかさまをしても結局勝てはしない
・自分のやり方を貫くこと
・ゲームの動きは変化するのだから、その夜を通してプレイのスタイルを状況に適応させることが必要。フレキシブルでいること
・辛抱強く、長期的に考えること
・スタミナと集中力が最もあるプレイヤーがたいてい勝つ
・他人と差別化をすること。テーブルの他のプレイヤーがしていることと反対のことをすること
・希望を抱くのは、よい策とはならない
・自分を「理性を失い、つい悪い手に賭けるような感情的な状態」にしないこと。ひと休みして、散歩をするか、その晩はゲームを辞めておく方がずっとコスト効率がいい
○継続的に学習する
・自ら学ぶこと。本を読み、経験者から学ぶこと
・実践により学ぶ。理論は魅力的だが、実際の経験に勝るものはない
・才能あるプレイヤーの中に自らを置いて学ぶこと
・ゲームに1回勝ったというのは、自分が上手いということでも、もう勉強しなくていいということでもない。ただ単にツイていただけかもしれない
・アドバイスを求めることを怖れないこと
○カルチャー
・ゲームが好きであること。本当に上達するためには、寝ても覚めてもゲームと共にあることが必要
・うぬぼれない。見せびらかさない。自分よりも上手い人は常にいる
・親切に振る舞い、友達を作る。小さなコミュニティなのだから
・自分が学んだことを他人とシェアする
・今しているゲームを超えたチャンスを探す。新しい生涯の友達や新しい仕事の接点を含め、これから誰と知り合うかは決して分からないものだ
・楽しむこと。単なる金儲け以上のことをしようとするなら、ゲームは何倍も楽しくなる
「ザッポス伝説」P116-119より



トニー・シェイ氏は、ハーバード大でコンピュータ・サイエンスを学び、オラクルに入社するもすぐに辞め、仲間とリンクエクスチェンジという会社を立ち上げ、マイクロソフトに2億6500万ドルで売却。その資金をもとに自由な生活を送りつつもベンチャー投資を開始。Zapposはその時の投資先の1つで、最初は投資家としての立場から、経営者として参画し、経営危機の際には全財産を投じながらも、会社を成長に乗せ、約12億ドルで株式交換によりアマゾンの資本傘下に入ります。
本書は、トニー・シェイ氏の半生とともに描かれており、後半の大部分はZAPPOSの成長までの苦労のいきさつや理念についてになっています。当時のメールの内容を原文のまま載っていたり、様々な場面での当事者のインタビューなども掲載されており、臨場感もあり面白い著作になっています。

ザッポス伝説公式サイトによる試読版「なぜザッポスは愛されるのか?」よりザッポスの特徴的な10項目です。
ザッポス伝説公式サイト: http://dhbookj.typepad.jp/
試読版(PDF): http://dhbookj.typepad.jp/zappos.pdf
1.オンライン靴店として、創業10年で年商10億ドルを達成し、全米第1位。
2.カスタマー・サービスは全社員の仕事、顧客がネットで「素晴らしい会社」と讃える。
3.サービスにマニュアルはない。顧客の商品選びで電話で6時間つきあうことも。
4・自社に在庫がなければ他社サイト3社以上をチェックし、あれば顧客に教える。
5.採用では、能力よりも「終業時間外も一緒にいたい人かどうかを重視、徹底した教育。
6.4週間以上の新人入社研修期間中、「今辞めたら2000ドルを支払う」退職金制度がある。
7.社員はコア・バリューを仕事だけではなく、生活に活かす。会社が大好き、社員は家族。
8.社員は社内の様子を自由にブログ、ツイッター、SNS、YouTubeで情報発信。自由自在のブランディング。
9.世の中のツイッターでの「ザッポス」に関するつぶやきを(悪口を含め)ホームページに全部掲載。
10.同社の「ビジネスモデルとしてのハピネス」は新しい経営戻るとして、世界の経営者、経営学者も大注目。社内見学ツアーに、日本からも経営者が多数訪問。「ザッポスに学べ」。

その他、本書に関連したサイトには下記があります。
・ダイナ・リサーチ代表の石塚しのぶ氏
ザッポス関連記事集(「ザッポス伝説」出版記念インタビューザッポスCEOトニー・シェイが伝えたかったメッセージ、最高のサービスを支えるザッポスのフルフィルメント・センターを訪ねて、2011年ザッポス新年インタビュー etc)
http://www.dyna-search.com/j/book/?page_id=155

・現代ビジネス
トニー・シェイ〔Zappos.com CEO〕アマゾンが欲しがった靴のネット通販経営者はツイッターフォロワー170万人をどう生かしたか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/836

・ダイヤモンド・オンライン
ザッポス最強伝説〜アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
http://diamond.jp/category/s-zappos



posted by ASK at 19:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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