株価は需給や期待等の様々な要因を織り交ぜながら上がり下がりし、時には上にも下にもオーバーシュートしますが、適正水準のレンジ(ファンダメンタル価値)から長期的に乖離し続けるものではないと信じるとすれば、タイミングを見ることは非常に重要です。
タイミング良く割安な時に多く投資をして、割高になったら売却しつつポジションを調整するというのが理想ですが、実際に「タイミングを当てる」ことは困難で、どのタイミングが適切だったのかというのは後解釈でしか分かりません。
個人投資家のレベルでは、大きく外さないように心掛けることが大事なのかと私は思っています。
特に各国の市場の代表値であるインデックス(指数)が割高か割安かという判断はなかなか難しいものがありますが、大きく外さないための参考材料の1つが市場平均のPERやPBRだと思います。市場平均のPER・PBRは月1回くらいチェックしたい指標だと思っていましたが、なかなかチェック出来ずにいました。
「世界各国のバリュエーション表」は、各国のPER、PBR、ROE、実効為替レート、長期金利、配当利回りetcといったデータが載っています。「タカちゃん」さんから提供されているとのことですが、個人でこのようなものを作成し、シェアされることは素晴らしいですね。
PER、PBRはmyINDEXからデータを取得しているようです。
myINDEX: http://myindex.jp/global_per.php
キャピタル・パートナーズ証券のサイトには、各国指数の予想PERがデイリーで公表されています。
投資情報という項目の「世界の株価指数」でPDFにリンクが繋がります。
キャピタル・パートナーズ証券: http://www.capital.co.jp/
また、定点のPERよりも過去からのPER水準のトレンドが見たいところですが、Ginkou.Infoというサイトで図表が示されています。データはキャピタル・パートナーズ証券のサイトから引用とのことですが、キャピタル・パートナーズ証券のサイトでデイリー以外のデータがどこにあるかは確認出来ませんでした。
Ginkou.Info: http://www.ginkou.info/modules/per/
このような長期投資向けのデータ提供に本気で力を入れてくれる金融機関も多くないように見受けられますが、長期的な観点から参考になるデータ提供がされていくことに期待したいところであります。
PERがどの水準が適正なのかは測定が難しいのですが、簡単な考え方イメージとして、山崎元さんの「ホンネの投資教室」での解説では、株式の期待リターン=益利回り(PERの逆数)+利益成長率とされています。益利回りはPERの逆数で、PER20倍なら1÷20=5%といった感じです。
山崎元さん「ホンネの投資教室」第五十三回 株価の適正水準に関する雑考:
http://plaza.rakuten.co.jp/isyamazaki/diary/200704200000/
投資家の期待リターンや利益成長率のマーケットコンセンサスがあれば良いのですが、私の知るところではないので、自分なりの割高、割安といった目安を持ちつつ、定期的にチェックしていきたいところです。
PERは簡便ではあるが異常値等も出やすくあくまで1つの参考材料ですし、全体平均と離れているから売りや買いという判断をしてしまうと間違えることもあるので注意が必要です。例えば、日本市場は2000年代半ば位までPERが米国等と比較して常に高かったが現在は米国等と同水準になっている、ロシアはほぼ1桁のPERで一貫しているといったそれぞれ各市場の特徴も合わせて押さえつつ、個々に今のPERになっている要因は何故かを考えながらタイミングを大きく外さないように捉えていくことも重要です。
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