2012年07月02日

J-REIT投資の分配金と資産形成について考える(2)  −J-REITの分配金と株価のトレンド

前回からの続きです。

J-REITの上場数は2012年5月末で34となっています。
うち、日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人がJ-REIT全体の時価総額の25%程を占めています。また、日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人は時価総額の大きさやスポンサーが日本ビルファンドは三井不動産、ジャパンリアルエステイトは三菱地所という日本を代表する不動産会社でもあり機関投資家等の買いが入りやすいからだと思いますが、J-REIT全体平均よりも低い分配金利回り(3〜4%台)で推移しています。
その他の個別銘柄では5〜7%程度のところがほとんどです。規模が小さいREITでは7〜8%台のところもあります。
個別のJ-REITについての詳しい利回り等の情報は、下記のサイトが役立ちます。
JAPAN-REIT.com: http://www.japan-reit.com/page/data-top.html

J-REIT全体に分散して投資したい場合には、(NEXT FUNDS)東証REIT指数連動型上場投信【証券コード:1343】というETFが野村アセットマネジメントにより運用されています。
ここでは、J-REIT全体の概観を把握するにあたり、投資の実現可能な東証REIT指数連動ETFを見て行きます。




2005〜2007年の不動産好景気の時期やリーマンショック直後はどちらかというと異常時だったと考え、
リーマンショックも落ち着いた2009年5月以降の東証REIT指数連動ETFの分配金利回りの推移です。東証REIT指数連動型上場投信では年4回分配を実施しています。ここでは、分配金の支払い実績を、分配金決定月の前月末終値で割った利回りを年率に直して計算しています。

J-REIT利回り実績推移.jpg
(野村アセットマネジメント公表の分配金実績とヤフーファイナンス株価時系列データより作成)

分配金利回りの水準は、投資単位当たりの東証REIT指数連動ETFの分配金の多寡とかなり相関性が高いようです。分配金及び分配金利回りの水準がやや右下がりになっており、不動産市況は悪化しているようです。東証REIT指数連動ETF の2009年5月末終値は908、2012年5月末終値は968ですので、株価の上昇分による利回り減少の影響もややあり、分配金の減少が分配金利回りの減少に効いているように見えます。この右下がりのトレンドは今後の推移に注意が必要そうです。

東証REIT指数連動ETFの株価水準の増減はどうでしょうか。前回の2003年から直近の2012年6月までの東証REIT指数とTOPIXの比較推移からは、リーマンショック後に大幅に下落した東証REIT指数は下げ過ぎて分配金利回りが8%にまで達した水準から反発し、底値からはTOPIXを超過しています。
下表は、2009年5月以降のTOPIXと東証REIT指数連動ETFの月次リターン比較推移です。

TOPIXと東証REIT指数連動ETFの月次リターン比較推移
(TOPIXと東証REIT指数連動ETFのヤフーファイナンス時系列データより作成)
期間:2009年4月〜2012年5月
期間:2009年4月〜2012年5月
月次リターンの平均 TOPIX :+0.08%(年率0.92%) 東証REIT指数連動ETF:+0.47%(年率5.63%)
標準偏差 TOPIX:5.33%(年率18.46%) 東証REIT指数連動ETF:5.39%(年率18.68%)
相関係数 0.716

東証REIT指数連動ETFの株価の動きはTOPIXとの連動性が高いようです。上記期間における月次リターンの平均ではREITがTOPIXを上回っていますが、標準偏差(月次リターンのブレ幅)はほぼ同じで、相関係数が0.716ということですので東証REIT指数連動ETFはTOPIXが100動くのに対して約71同じ方向に動く傾向があるということが分かります。

分配金利回りは分配金の水準を反映して増減するのでオフィス・住居の不動産賃貸市況の見通しとともに、東証REIT指数連動ETFの株価水準はTOPIXとの連動性も高いと言えます。
例えば、不動産賃貸市況の見通しが悪くない時にTOPIXが下がっているのにつられて東証REIT指数連動ETFも下がり分配金利回りが6%程度の水準になった場合などは、買いの狙い目と言えそうです。

次回は、J-REITのような分配金や配当の利回りに着目した「自分年金」作りのシミュレーションをしてみたいと思います。


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