2012年04月13日

「10年後 日本人が食える仕事」

2012年4/14号の週刊東洋経済では、「10年後 日本人が食える仕事」という特集がされています。
著書「10年後に食える仕事、食えない仕事」に沿って、その味付けを加えたような内容です。
本書もざっと読みましたが、ひとつの整理のもと様々な職業について考察されており、長期的なキャリアの方向性を考えるにあたり頭の片隅に入れておいて損はないものであるかと思います。

10年後に食える仕事、食えない仕事
渡邉 正裕
東洋経済新報社
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グローバル化時代の職業マップとして「スキルタイプ」(知識集約的vs技能集約的)と「日本人メリット」(小vs大)に応じたマトリックスによって、それぞれの職業がどのようになっていくかが考察されています。
・重力の世界 【スキルタイプ:技能集約的+日本人メリット小】
⇒グローバルの最低給与水準に収れん、アジアの低賃金の労働力との勝負
ex プログラマー、汎用品の開発者、コールセンタースタッフ、タクシードライバー、介護福祉士
・無国籍ジャングル 【スキルタイプ:知識集約的+日本人メリット小】
⇒超成果主義による世界70億人との戦い、才能・運にも恵まれ勝ち残れば報酬は青天井
ex CEO/CFO、トレーダー、ファンドマネージャー、会計士/CPA、スポーツ選手、国際弁護士
・グローカル 【スキルタイプ:知識集約的+日本人メリット大】
⇒日本市場向けの高度専門職。日本人の強みを生かしつつ、高付加価値スキルで勝負
ex 医師、弁護士、税理士、システムエンジニア、コンサルタント、記者・編集者
・ジャパンプレミアム 【スキルタイプ:技能集約的+日本人メリット大】
⇒日本人ならではのサービスマインド、職業気質、チームワーカースピリット。「同じ日本人」という信頼感を活用した対面サービス
ex 保険セールス、メガバンクの地域営業、住宅営業、美容師、公務員、日本料理人

大まかに言うと、競争も高く報酬水準も低くなる「重力の世界」に入るのは避けなければならない。一握りの勝者になる気概と卓越した能力を持つ者は「無国籍ジャングル」。日本人メリットを活かした「ジャパンプレミアム」「グローカル」な職業が安定的ということです。
日本人メリットの要件は、「独自カルチャー依存」「チームワーク&サービス」「信用&コミュニケーション」「ハイレベルな日本語」「国による参入規制」を挙げています。
さらに、「ジャパンプレミアム」「グローカル」を攻めと守りに分けていますが、日本人メリットとは、相手が日本人でビジネスをするには日本語面や日本人という信頼感含めて日本人であることに優位性があり、物理的にサービスを提供するのが日本あるいは自らの周辺地域でないといけないものであれば、ある程度は国際的な競争から回避可能という文脈です。

ひとつの職業にも様々な面があり、ここに挙げられている職業の当てはまりが全部しっくりくるものでも必ずしもありませんが、1つの整理の考え方としては参考にはなります。




一方、深く考えなければいけない要素として、日本人メリットは本当に「メリット」なのかは職業によって事情は大きく異なります。多くのエコノミストからは2010年代後半には貿易収支は赤字になるのではないかと言われ、内需の拡大も見込まれないし、消費税や社会保障の負担はますます増加していく。「10年」より先には人口動態による経済への影響も顕著に表れてきます。
その時に日本人メリットがあっても、供給は一定であってもそれ以上に全体の需要が減っていく分野は厳しくなるでしょう。

経済のグローバル化という面を捉えて、「外国人により代替可能であるか」が大きな着目点になっています。グローバル化の進展の一因にも含まれますが、既に現在進行形である「インターネットによりどこまで代替可能か」、中長期的には「ロボットや機械により代替可能か」「人工知能により代替可能か」といった点も考えなくてはいけません。
(「インターネットによりどこまで代替可能か」は、個人的に興味のあるところでもあり、色々と考えていきたいところではあります。)

「10年後に食える仕事、食えない仕事」は、「フラット化する社会」を一部で日本人向けにアレンジしたようなところもあり、合わせてご参考にと思います。

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