2012年04月05日

平成23年税制改正による実効税率の変更後の税率、計算式、決算への影響

平成23年税制改正により、平成24年4月1日以後に開始する事業年度においては、法人税率が変更になりました。
また、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度については、復興特別法人税が課税されます。これは、法人税額を課税標準として10%の税率が別途掛かります。
これにより、実効税率が変わります。
法人税率の引き下げは、日本の法人税率が国際的な水準と比べて高いために国際競争力を失う要因となるという経済界からの強い要望のもとに実現しました。




・法人税率
中小法人以外の大企業 改正前 30.0%⇒改正後 25.5%
*なお、中小法人(期末の資本金の額または出資金の額が1億円以下の普通法人)の所得金額のうち年800万円以下は中小軽減税率があり改正前 本法20.0%、租税特別措置法18%⇒改正後 本法19.0%、租税特別措置法15%となっています。租税特別措置法はH24/4/1〜H27/3/31の間の事業年度において軽減されている税率なので、H27/3/31までは租税特別措置法の税率となる。

・実効税率
40.69%:平成24年3月31日まで

38.01%:平成24年4月1日から平成27年3月31日まで

35.64%:平成27年4月1日以降

実効税率の計算は、
実効税率=法人税率×(1+住民税率)+事業税率 / 1+事業税率
事業税率=事業税率+事業税課税標準税率×地方法人特別税率
となります。(「法人税率×(1+住民税率)+事業税率」は全て分子です)
復興特別法人税を考慮した場合の実効税率の計算式は、
実効税率=法人税率×(1+復興法人特別税率)×(1+住民税率)+事業税率 / 1+事業税率
です。(「法人税率×(1+復興法人特別税率)×(1+住民税率)+事業税率」は全て分子です)




変更後の実効税率は、下記のように計算できます。
(東京都、資本金1億円超のケース)
法人税率 25.5%
復興特別法人税 10%
住民税(法人税割) 20.7%
事業税率(所得割) 3.26%
地方法人特別税 148%(課税標準:所得割額(基準税率:2.9%)

・平成24年4月1日から平成27年3月31日までは法人税率の引き下げと復興特別法人税の影響がある。
38.01%=25.5%×[1×(1+10%)+20.7%]+(3.26%+2.9%×148%)/ 1+(3.26%+2.9%+148%)

・平成27年4月1日以降は復興特別法人税がなくなり法人税率の引き下げのみとなる。
35.64%=25.5%×(1×+20.7%)+(3.26%+2.9%×148%)/ 1+(3.26%+2.9%+148%)

法人税率の引き下げは、平成24年4月1日以降ですから、平成24年3月期決算においては、従来までの法人税率になります。(税引き前利益+永久差異等)×実効税率40.69%のイメージです。永久差異等は税効果会計の注記でどのようなものがあるか確認することが出来ます。
実効税率が引き下がることにより、将来の法人税等の支払が減ります。繰延税金資産とは、会計上の利益と課税所得の計算上の差異があるため法人税等が発生する期間の差を調整するものです。繰延税金資産は将来の課税所得の金額に基づき計上されるもので、従来より将来の実効税率は40.69%であることを前提として計上されています。平成24年4月1日以降の実効税率38.01%・35.64%で計算するため、平成24年3月期決算においては将来の実効税率が下がる分の繰延税金資産の取り崩しにより一時的な減益の要因となります。

(本ブログでの関連エントリー)
・2011/1/31 会計の基礎C補足 税効果会計・繰延税金資産とは
http://money-learn.seesaa.net/article/183446783.html



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