2011年01月30日

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた 辻野晃一郎/著(書評、目次 等)

著者の辻野晃一郎氏は、ソニーでVAIOやスゴ録などのヒット商品を生み、1984年4月から2006年3月まで22年在籍したソニーを退職後、2007年4月グーグル(Director of Product Management:執行役員製品企画本部長)へ転じ、2009年1月には日本法人の社長になり、2010年4月にグーグル本社のグローバルオペレーションの見直しに伴いグーグルを退職、2010年11月からアレックス設立を設立・代表取締役社長兼CEOに就任されています。
本書は、22年在籍したソニーと3年間在籍したグーグルにおける著者の体験や感じたことを中心にエピソードを語られたものです。
著者の関連リンク:
ブログ:http://koichiro-tsujino.blogspot.com/
ツイッター:http://twitter.com/ktsujino
アレックス株式会社:http://www.alex-x.com/index.html

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた
辻野晃一郎
新潮社
売り上げランキング: 316

初版発行日 2010年11月20日
全258ページ ハードカバー

私としては非常に面白いと思ったのは、ソニーとグーグルという対比です。
著者の属していた部門であるメーカーとしてのソニーと純粋ネット企業のグーグルを単純に比較することは出来ないとも思いますが、本書を通じて、ソニーは革新的な風土は残りつつも大企業病とも一部では窺える普通の会社で、そもそも普通の会社ではないネット企業の急先鋒のグーグルはネット時代の最先端をいく組織作りがされているようにみえます。
グーグルのサービスは毎日使用して愛着もありますが、グーグルのワークスタイルや会社(特に本社)の様子が伝えられることは目にする機会がありますが、グーグルの社内から具体的な様子を深く語られることはあまり目にする機会も少ないので、特に、グーグルの様相を通じて、インターネット時代のワークスタイルを考えるにあたり、随所に参考になる部分もちりばめられているのではないかと思います。

著者から見たグーグルの急成長の秘密は、グーグルの理念に全て網羅されているとのことです(p181以下)。本書の中では10項目についての著者なりの考えや体験等が語られています。
Google の理念「10 の事実」のホームページより:
(リンク先)http://www.google.co.jp/intl/ja/corporate/tenthings.html
「10 の事実」の引用:
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3. 遅いより速い方がいい。
4. ウェブでも民主主義は機能する。
5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7. 外にはいつも情報がもっとある。
8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10. すばらしい、では足りない。

また、グーグルの採用基準は4つの要素があり、1.地頭の良さ、2.これまでの職務実績や社会貢献の具体的な内容、3.リーダーシップ、4.グーグルネス(グーグルのカルチャーが合うか)ということです(p41)。優秀な人材の採用には非常に力を入れており、著者も入社後に面接の度に結果のレポーティングが大変だったというエピソードがあります(p199-201)。

ソニーとグーグルは両社とも特徴的な会社であるかと思います。
著者のブログ「Don’t Worry Be Happy」の2010/12/9の記事「ソニーという生き方、グーグルという生き方」にてそれぞれの会社の特徴について書かれていますので、ご紹介しておきます。
2010/12/9ブログ記事のリンク:http://koichiro-tsujino.blogspot.com/2010/12/blog-post_09.html
・ソニーについて
(引用)
「ソニー」という生き方〜私流に解釈すると、「新しいもの好き、チャレンジ精神満載、Risk taker、ノリがいい、フットワーク抜群、明るい(盛田さんがよくネアカという言葉を使っていた)、日本人としてのアイデンティティにこだわる、国際人としての視野と見識がある、Happy Surpriseが好き、人を喜ばせたり驚かせるのが好き、我が道を行く、自由人、技術が大好き、好奇心旺盛、分け隔てがない、人のやらなことをやりたがる、一番が好き、生意気、異端、etc.」といったような生きざまであると思う。
・グーグルについて
(引用)
Googleでは自分達のカルチャのことをGoogly、Googlienessなどと呼ぶ。Google時代にその意味を別の英単語を並べ立てて考えたことがあるが、以下のようなものだ。
innovative, cooperative, welcoming, ego-less, reasonable, good judgment, helpful, apolitical, non-hierarchical, fast moving, volunteer, team-oriented, collaborative, not title-conscious, open, transparent, forthright, committed, hard working, fun-loving, talented, smart, interactive, responsive, practical, thoughtful, quirky, humble, responsible, trustworthy, user-oriented, big ideas, radically hopeful and international


本書の目次は以下の通りです。(下の「続きを読む」をクリック下さい。)






<目次>

プロローグ p11
第1章 さらばソニー p17
第2章 グーグルに出会う p27
第3章 ソニーからキャリアを始めた理由 p45
第4章 アメリカ留学 p65
第5章 VAIO創業 p85
第6章 コクーンとスゴ録のチャレンジ p109
第7章 ウォークマンがiPodに負けた日 p155
第8章 グーグルの何が凄いのか p175
第9章 クラウド時代のワークスタイル p203
第10章 グーグルでの日々 p223
第11章 グローバル時代のビジネスマインドと日本の役割 p241
エピローグ p255

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