2018年01月14日

「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2017」表彰式。低コストインデックスファンドや楽天・バンガード投信が人気に

2017年1月13日(土)に大井町のきゅりあん小ホールで開催された「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」の発表会に行ってきました。
投資信託について一般投資家の目線でつねに考え、情報を集め、ブログを書いている投信ブロガーたちが、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。
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このイベントに投票する投信ブロガーの特徴は、20代〜40代の若い世代で長期の積み立て投資をしているブロガー達が多いことです。積み立て投資の商品選定に当たっては、合理的な判断から低コストのインデックス商品が好まれやすくなります。僕も、基本的に、投資時に対象資産クラスの信託報酬or経費率が最低の商品を選定します。
投資先は、世界中の株式・債券・REITを中心にアセットアロケーション(資産配分)を考えるというベースラインから、実際の資産配分は人により趣向が異なるところになります。

毎年、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」を見ていると、その年の投信業界のインデックス投信を中心としたトピックや潮流が色濃く反映されていて、大変勉強になりました。
インデックス投信については、個人投資家として良い競争環境の中で信託報酬は十分に引き下がっているので、僕自身の関心は、個別の商品設定や商品自体もさることながら、どういうふうに投資をしていこうか、長期のマーケットや経済・社会がどうなっていくのかということへ重きがいっているので、1年分の動向もキャッチアップできる非常に良い機会でした。

2017年のキーワードは「つみたてNISA」です。金融庁が、国民経済上から多くの国民に今後の自助努力の資産形成を促していこうという施策を打ち、制度導入とともに長期・分散・低コストを後押しする中、既存のインデックス投信の信託報酬引き下げ競争や、新しいファンドがどんどん出てきました。
インデックス投信は運用成果による特色が打ち出しずらく、コストを引き下げるしか決定的な訴求ポイントがありません。運用残高を超巨大にし、薄い信託報酬とともに投資家とともに利益を享受することになります。運用会社の戦略としても、その資産クラスでの信託報酬・経費率を最低水準にすると宣言し、かつ、実際に信託報酬を引き下げていくことが有効になり得ますし、実際に、ニッセイアセットマネジメントの<購入・換金手数料なし>インデックスファンドや、三菱UFJ投信のeMAXS Slimシリーズが人気でランキング上位になっています。
また、個人投資家との接点を大事にし、ファンも多い独立系投信(ひふみ、鎌倉、セゾンなど)も一定の人気があります。
一本で世界中の株式へ時価総額加重平均による投資が出来て、かつ、信託報酬が0.11%という低さ(さらに年々引き下げ)が人気のVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)は、楽天投信からVTを中に入れた投信が登場し、VT自体の人気は落ち、2017年はその楽天投信の楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)が1位になりました。

「つみたてNISA」は運用会社や証券会社(販売会社)にとって利益にならないので本当はやる気が出ないという業界筋からは恨み伏しもあるようで、金融庁への顔もあるので一応頑張る、が本音のところも多いでしょう。ネット証券は顧客増でビジネスを広げるチャンスかもしれません。
インデックス商品には、先行者メリットや独自の優位性が出しずらいので、運用会社や証券会社よりも個人投資家側にメリットがある環境と言えそうです。インデックス商品だけ見たら運用会社はまだまだ赤字のところが多い可能性も高そうですが、日本での資産運用ビジネスの9割以上は依然としてネットを見ない高齢者からそれなりのコストを頂く商品群で成り立っていますので、個人投資家としては運用会社の経営が成り立たなくなる心配は不要でしょうから、有利な制度・商品は遠慮なくどんどん活用していけばいいでしょう。ただ、個別商品で目途が立たないと償還されるリスクはあるので、運用残高や今後運用残高が伸びそうか、というのは評価ポイントかなと思います。

また、2017年に新規商品設定が相次ぎ、新規商品は既存のものより低コストで投入されやすく投資家側からは人気が出ますが、ランキング上位でも単体の純資産が少ない商品も少なくありません。
イベントでは、壇上のカン・チュンドさんから、マザーファンド方式のものが多いので、マザーファインドの純資産を明示した方がいいのでは、という声も上がっていました。

さて、以下が「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2017」の結果です。
有効投票人数198名。
ルールは、投票者(ブロガー)が1人5ポイントを好きなファンドに割り振り投票を行います。同数ポイントは投票者数が多い方が上位になります。
投票人数は、2014年119名、2015年159名、2016年139名の投票者数から、2017年は投票者数が飛躍的に上昇しました。(公式ページでは旧年度の人数確認できませんでしたが自分のブログ記事によると)
積み立てNISAを金融庁が音頭を取って力を入れ、積立投資の手法としてインデックス投信の活用を挙げていることなどにより積立投資・こつこつ投資が注目を浴びてきているのでしょう。
マーケット環境が良好なので数年内に投資を始めた人は現時点で利益を享受できていることも大きな要因でしょう。
(あと、すいません、僕は投票し損なっています。忙しかったものでm(__)m)

Pはポイント数、()内の人数は投票者数です。
イベント中で各商品を評価するポイントの投票者の声が紹介されていますので、個人投資家の声をとしてメモをピックアップしました。
また、上位5位は運用会社の方が実際に表彰に来場され、一言がありましたので、合わせて記しています。
商品名のリンク先はモーニングスターの該当商品ですので、詳細等はご参照下さい。

1位 95P(39人)
楽天・全世界株式インデックス・ファンド 『愛称 : 楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)』(楽天投信投資顧問)
(注)運用の内容はバンガードの海外ETFのVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)です。信託報酬年率はVTは0.11%、楽天・全世界株式インデックス・ファンドは0.24%。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動し、世界中の先進国や新興国市場を含む約47ヵ国の約8,000銘柄で構成、全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバー。
(参考)バンガードのVT商品概要ページ
(個人投資家の声)
バンガードのVTのETFを日本で上場する予定はないらしい中で、毎月VTに積立投資が可能になった。
海外ETFを買うより手間が掛からない。
(運用会社からの一言)
インデックス投資は投資の究極の基本であるという教えを得てきたが、なかなか世に広げることは出来なかったが、実現できるようになってきた。
楽天バンガードシリーズは、ETFという素材を顧客にどう結び付け、ローコストで良好な投資成果を届けたい。

2位 79P(34人)
ニッセイ 外国株式インデックスファンド(ニッセイアセットマネジメント)
(個人投資家の声)
既存投信の手数料を下げていく姿勢が評価できる。
(運用会社からの一言)
2014年から2016年まで1位を頂いていたが今回上が出来たことでますます頑張っていきたい。2013年にスタートし、eMAXISとSMTシリーズがある中で頑張ってきた。シリーズで1000億を超えた。支持が得られ残高が増えたらコストを下げて投資家へ利益を分配する仕組みで勝負をかけた。投資家の皆様に支援を受けた。競争相手がかなり増えてきた。低コストで勝負をかけるところも増えてきた。昨年も3度目の信託報酬引き下げをした。残高が増えたからこそ引き下げるというコンセプトは変えたくないので、是非今後も支持をお願いしたい。

3位 70P(33人)
楽天・全米株式インデックス・ファンド 『愛称 : 楽天・バンガード・ファンド(全米株式)』(楽天投信投資顧問)
(運用会社からの一言)
運用会社としては珍しく千代田区・中央区ではなく世田谷区でやっている。しっかりと栄誉に今後応えていきたい。

4位 66P(23人)
野村 つみたて外国株投信(野村アセットマネジメント)
(個人投資家の声)
最安コストへの挑戦、信託報酬0.19%(税抜)。
マザーファンドは新興国部分で210億円と巨大。
(運用会社からの一言)
初めて上位にランキングした。この賞を受賞できて社内への影響も大きい。シンプルと低いコストが特徴。マザーファンドの大きさを評価してもらえたことも嬉しい。コストを下げても運用の質を下げたくないことが伝わって嬉しい。

5位 55P (25人)
eMAXIS Slimバランス(8資産均等)(三菱UFJ国際投信)
(個人投資家の声)
この一本で完結できる。楽。
リスクとリターンのバランスが取れている。
(運用会社からの一言)
2014年から3年ぶりに表彰されて嬉しい。
2009年からeMAXISシリーズを投入。80社を超える販売会社がいる中で機動的に信託報酬引き下げ等が難しい。Slimシリーズでコスト削減し、そのカテゴリで最低水準を目指し、共鳴いただける販売会社と提供していく。

6位 50P(20人) 
ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス)
(個人投資家の声)
マザーファンドが5000億レベルで運用が難しくなるのではと心配する声もある中でパフォーマンスの良さ。
定期的なコミュニケーション顔が見える運用。
ひふみプラスは12位。ひふみ投信は直販、ひふみプラスは証券会社等を通じて購入できる投信となっていることの違いで、運用元であるマザーファンドは同一なので、運用内容は同じです。
ひふみ投信マザーファンドの2017年12月末の運用残高は5,829億円、組入銘柄数は207銘柄(運用レポート(ひふみのあゆみ)2017年12月度より)。

7位 50P(17人)
eMAXIS Slim新興国株式インデックス(三菱UFJ国際投信)
(個人投資家の声)
業界最低水準の運用コストを将来にわたって継続して目指すことを明言している。
信託報酬を下げ続け、0.2%を切っている。

8位 49P(25人)
たわらノーロード先進国株式(アセットマネジメントOne)
(個人投資家の声)
トータルコスト(実際に掛かったコスト)の安さ

9位 49P(16人)
VT/バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(ザ・バンガード・グループ・インク)

10位 48P
iFreeS&P500インデックス(大和証券投資信託委託)
(個人投資家の声)
金融庁の意見交換会が2017年6月で個人投資家の声があり「検討します」という一言の後8月?に設定。個人投資家の声が反映される柔軟さと、スピード感がすごい。
(*たまたま6月時点で企画が進んでいたのかもしれませんが・・)

11位 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
(個人投資家の声)
投資未経験者にも分かりやすいコンセプト。
郵便局で買えるようになり多くの投資未経験者へ窓を開いたことが他とは違うレベル感。
12位 ひふみプラス
13位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
14位 結い2101
(個人投資家の声)投資を通じてよりよい社会をつくるという理念に共感できる。投資先へオープンで説明をきちんとする姿勢が良い。
15位 バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
16位 バンガード・トータル・ストック・マーケット・ETF(VTI)
17位 セゾン資産形成の達人ファンド
18位 iFree 8資産バランス
(個人投資家の声)8資産バランスファンドに価格競争を起こした。
19位 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド
(個人投資家の声)DC用投信を一般に開放した。
20位 世界経済インデックスファンド
20位 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド

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2018年01月08日

日経ヴェリタス『「人生100年」の計 長寿リスクに備える資産づくり』の特集でコメント掲載頂きました。

2018年になりました。あけましておめでとうございます。
少し前ですが、日経ヴェリタス12月10日号・『「人生100年」の計 長寿リスクに備える資産づくり』の特集でコメントを掲載いただきました。

今生まれる世代の人たちの平均寿命は100歳になっていく、ということから、近年、老後の資産作り、定年退職後のキャリアをどうしていくか、については社会的に関心が高まっており、ホットなテーマですね。
お金という観点から言うと、退職後の生活資金総額から退職後の年金受給総額を引いた金額の貯蓄を、リタイア時点までに形成することが必要になります。
人生100年を暮らすための資産作りをどうするか、について、日経ヴェリタスの記事では、「ゆとりの老後に3本の矢」として@資産運用で増やす、A地方への移住も含め生活コストを減らす、B働き続けて収入確保し老後の期間を短縮する、という処方箋が示されています。

「人生100年」にあたって、@老後資金を資産運用でどう増やしていくか、というところから、「保有、売買コストの低い上場投資信託(ETF)でグローバルに分散して長期保有を心掛けている」個人投資家のASKさんとして紹介頂きました。
以前、日経ヴェリタスの七転八起で長期5%の利回りを目指す、と発言していて、今回記者さんから「5%は実際に達成しているのか」ということを確認いただき、現在の足元ではマーケット環境が好調のため5%の利回り実績は軽くクリアーしていますので、平均して5%以上のリターンを上げる、と紹介いただきました。
(2016/1/30)日経ヴェリタスの七転び八起きに掲載いただきました!


ちなみに私の場合、利回り5%は、運用上の目標というよりは、グローバル分散投資で上げられるであろう円ベースでのリターンとして現実的に十分達成可能だろうと思われる値で、どちらかと言うと最低限上げたい利回りです。逆に、長期投資を時間や手間暇を必要以上に掛けず、過度なリスクを取り過ぎずに達成できそうなのが5%程度かなというところで、長期のプランをリスクが高い前提で考えない方がいいだろうというのが根底にあります。
長期利回り5%は高いという意見も低いという意見もあるかと思います。はっきり言うと感覚値ですが、資産運用では、リターンはコントロールできませんが、リスクはコントロール可能なので、リスク管理をどうするかとどのようなリスクを取るかが重要なので、リターン目標は厳密に持つ意味は実はあまりないのではないかとも思っています。(あえて言うならなるべく高い利回りを上げたい、ということになります(笑)。)
人からお金集めて運用するなら事前に掲げる目標リターンがないといけませんが、自分のためだけのお金の運用ですから、自分がどうか、だけを考えればいいわけです。
もちろん本当は5%以上上げたいですが、あえて欲張りすぎないで、ゴールの状態を作れる「確度」を上げることが重要なのかなと思っています。

私の資産運用の当面のゴールは明確に決まっていて、インカムゲイン(不動産及び債券、株式配当)での収入で生活費を賄うことが出来て、お金のためではなく自分が本当にやりたい仕事やライフスタイルで暮らし続けていける状態になれるような資産額構築を達成する、ということにあります。
簡単に言うと、将来、資産を切り崩しながらの生活ってやはり恐怖だと思うので、なるべく資産を減らさずに、なるべく余裕のある生活を送れるようになりたいよね、ということです。

余談ですが、数年前に、今の運用資産を10倍にしたら、楽にインカムゲイン生活を出来るので、10倍になる利回りを計算しましたら、資産を10倍にする複利利回りは30年だと8%、20年だと12.2%ですので、これを目標リターンにするには少し高いので、まだまだ仕事を頑張らないといけないな、と思ったことがあります(笑)。

長期・分散投資でも、キャッシュ比率の調整と国内外の株式を中心に投資をマーケット見ながら検討していくのが私のやり方ですが、昨年2017年はマーケット調整が起こらず、大きく投資実行はしないで終わりました。運用資産額は何もしないで過去最高になっていますが、年間を通してマーケットの調整局面での投資チャンスがなかったというのは初の体験となりました。
マーケットが良い時に大胆になりやすいのが人間心理で、レバレッジ掛けた投資や集中投資を当てて億り人になったという逸話がたくさん出て煽られますが、長期的には、生き残り、かつ自分が望むだけのリターンを残すことが最重要なので、マーケットが良い時(上げ相場)は慎重に、マーケットが悪い時(下げ相場)は大胆に、というスタンスで、マーケットが良い時に過度なリスクを取らない、というのが、投資に時間を掛けずストレスなく続けられる私なりの方法です。人生100年ですからね。長期的にマーケットの中で生き残ることが1番です。
おまけの話としては、投資方針を変えるつもりはありませんが、資産の10%程度とかのほんの一部を、長期成長企業等を探して投資するというのもしたいなと思っていて、今年の自分のテーマにもしたいとも考えています。

世界中で低成長・低インフレの中で世界的に低ボラティリティな相場で株価上昇する昨今、適温相場という言葉が最近よく使われますが、良い感じの怪しいキーワードが出てきたなと思いつつ、2018年も楽しんでいければと思います。







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posted by ASK at 20:37| Comment(0) | 長期資産運用・長期投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする