2015年10月24日

自分のアセットアロケーションの損益ってどうなの?という検証ツールA(積立投資の場合) おすすめのアセットアロケーションを考えよう(5)

前回(自分のアセットアロケーションの損益ってどうなの?という検証ツール@(一括投資の場合))からの続き。

前回は、予め定めたアセットアロケーションに一度に投資をした場合の実際のマーケットデータを使用しての損益実績を見てみましたが、今回は、積立投資の場合の運用実績例を見ていきます。
まず、前回同様、国内株式・国内債券・先進国株式・先進国債券を25%ずつの等配分で試しに入れています。

アセットアロケーション配分割合(資産配分)
国内株式  25%
国内債券  25%
先進国株式 25%
先進国債券 25%


まず、リバランスなしの場合(積立投資を決まった資産配分で投資していくのみで、投資後の組み換えはしない)です。
151024 ポートフォリオ(4資産等配分)リバランスなし.png

2001年初から積立投資
毎月積立額 1,000
積立累計額(2014年末) 168,000
2014年末の残高 265,958 コストなし
2014年末の残高 247,355 コストあり
*コストありは、前回同様、年率1.0%で計算

コストなしシミュレーション
2014年末での元本増加 1.6倍
平均リターン(年率) 4.7%
変動率(年率) 9.5%
最大下落率(月間) -13.7%

次に、リバランスありの場合です。リバランスの方法は、積立投資を決まった資産配分で投資していくとともに、毎年年末に、投資ポートフォリオの残高を資産配分と同じになるように調整するように計算しています。ただ、売買コストや利益が出ている場合の税金については考慮していません。
151024 ポートフォリオ(4資産等配分)リバランスあり.png

2001年初から積立投資(リバランスあり)
毎月積立額 1,000
積立累計額(2014年末) 168,000
2014年末の残高 279,865 コストなし
2014年末の残高 259,987 コストあり

コストなしシミュレーション
2014年末での元本増加 1.7倍
平均リターン(年率) 5.4%
変動率(年率) 10.0%
最大下落率(月間) -12.8%

リバランスのあり・なしは、リバランスありが、やや優位な結果になりました。取引コストや税金を考慮すると、そんなに変わらないくらいかなってとこでしょうか。
結果としては、2000年代の不動産ミニバブル期の2006〜2008年のリーマン・ショック時までは含み益がありましたが、その後低迷し、2012年秋からのアベノミクス相場のスタートまで損益はトントン、2012年秋以降からの好調相場に乗って、2014年末には良好な結果にはなっています。2001年〜2012年までの12年間は報われなかったと・・

今回は、もう1つ、30代後半アラフォー独身の女性ブロガーのopal (おぱる)さんのアセットアロケーションの場合を見てみましょう(ご本人からの依頼により)。

アセットアロケーション配分割合(資産配分)
国内株式 10%
先進国株式 80%
新興国株式 10%


リバランスなしの場合
151024 ポートフォリオ(おぱるさん)リバランスなし.png

2001年初から積立投資
毎月積立額 1,000
積立累計額(2014年末) 168,000
2014年末の残高 343,777 コストなし
2014年末の残高 318,816 コストあり

コストなしシミュレーション
2014年末での元本増加 2.0倍
平均リターン(年率) 7.8%
変動率(年率) 19.9%
最大下落率(月間) -24.8%

リバランスありの場合
151024 ポートフォリオ(おぱるさん)リバランスあり.png

2001年初から積立投資(リバランスあり)
毎月積立額 1,000
積立累計額(2014年末) 168,000
2014年末の残高 350,201 コストなし
2014年末の残高 324,985 コストあり

コストなしシミュレーション
2014年末での元本増加 2.1倍
平均リターン(年率) 7.6%
変動率(年率) 19.3%
最大下落率(月間) -23.7%

国内株式・国内債券・先進国株式・先進国債券を25%ずつの等配分との違いは、リターンが良くなっているが、変動率(リスク)が年率10%前後→20%前後と、上昇しています。
2012年秋まで損益はトントン、2012年秋以降からの好調相場に乗って、2014年末には良好な結果にはなっています。2012年秋以降からの好調相場は、円安と、先進国株式(主に米国市場)のリターンが好調だったことにより、投資元本から倍ほどの投資成果が出ています。
注意点は、月間の最大下落率がマイナス24%と大きいことです。これは、2008年10月です。リーマン・ブラザーズの破綻は2008年9月で、その月は17%ほどの下落ですから、もし今、リーマン・ショック級のイベントが発生すると、2ヶ月で40%ほどの下落が起きて、今の含み益の多くが吹っ飛ぶ、ということになります。2ヶ月で40%なので、標準偏差(年率)の20%前後×2の変動率より年率換算でははるかに大きい下落です。もちろん、「もし」リーマン・ショック級のイベントが発生「したら」、の話です。
実際に、リーマン・ショックの後は投資元本より穴を掘る期間が続くわけですが、逆に、きちんと続けていると、リーマン・ショックも乗り越えて、2014年末の時点では良い結果になっています。
2012年秋以降のマーケットが今後も同じペースで続いていくのかどうかという点は、個人的にはそこまで楽観的には思えないですが、低成長、円高の時代が戻ってくるのか、ある程度の好調相場が今後も続いていくのか、それがいつまで続くのか、ということは分かりません。歴史的には金融市場のバブルとその崩壊は繰り返しており、今後も起きるでしょうが、インパクトとしてリーマン・ショック級の衝撃が発生するかどうかは分かりません。

目的が長期的な資産形成であるのなら、1番重要な点は、リバランスとか0.数%の手数料の違いに過度にこだわるよりも、投資対象のファンダメンタルズの成長を信じて、きちんと続けていくこと、適度にアセットアロケーションを見直していくこと、と言えるでしょう。

次回へ 長期資産運用の手順と考え方:どのように自分のアセットアロケーションを決めていくか おすすめのアセットアロケーションを考えよう(シリーズ中間まとめ)

【おすすめのアセットアロケーションを考えようシリーズ】
・2015/10/5 おすすめのアセットアロケーションを考えよう(1) アセットクラス別のリスク・リターンの計算と分析
・2015/10/10 おすすめのアセットアロケーションを考えよう(2) ポートフォリオのリスク分散効果ってなに?
・2015/10/11 おすすめのアセットアロケーションを考えよう(3) アセットクラス間のリターンの相関係数
・2015/10/18 自分のアセットアロケーションの損益ってどうなの?という検証ツール@(一括投資の場合) おすすめのアセットアロケーションを考えよう(4)







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2015年10月18日

自分のアセットアロケーションの損益ってどうなの?という検証ツール@(一括投資の場合) おすすめのアセットアロケーションを考えよう(4)

前回までに、アセットクラス別の実際の値動きに基づく過去データの実績をもとに、アセットクラス別のリターン、リスク(変動率)アセットクラス間の値動きの相関という、アセットアロケーションを考えるために必要なデータと、データを読み解くための基礎知識を確認しました。

ここで、私は、もう少し参考になりやすいものがあるのではないかと思いました。
それは、アセットアロケーションに基づく実際の運用実績は、過去データを用いるとどうであったか?というものです。また、一部の販売用のツールのように、販売側にとって都合のいいように見せるものではなく、投資家が適切な意思決定を行うための、より客観的に検証できるようにしたいと思いました。

そこで、ASK資産運用実践研究会では、一括投資の場合と、積立投資の場合での、投資額と損益額を把握するツールを開発しました。
今回は、一括投資の場合を確認していきます。

アセットアロケーションの割合を入れると、そのアセットアロケーションでのポートフォリオの損益データが確認できます。
ここでは、仮に、ベタな感じで、国内株式・国内債券・先進国株式・先進国債券を25%ずつの等配分で試しに入れています。

アセットアロケーション配分割合
151018 アセットアロケーション配分割合.png

計測したのは、2001年頭に100万円を一括投資し、2014年末にはいくらになったかという値です。
また、実際の運用にはコストが掛かりますので、ポートフォリオの平均コスト(信託報酬)を月次リターンから差し引いたものが「コストあり」の結果です。ここでは、インデックス運用を考えると少し高めですが、仮に1%としています。
2001年初・一括投資(リバランスなし)
初期投資額 1,000,000
2014年末の残高 1,842,971(コストなし)
2014年末の残高 1,604,174(コストあり)

151018 ポートフォリオの推移(一括投資)リバランスなし.png

コストなしシミュレーション
2001-2014年元本増加 1.8倍
平均リターン(年率) 4.9%
変動率(年率)    9.5%
最大下落率(月間)  -13.7%

2001-2014年の14年間で、
2%複利の増加率 1.3倍
5%複利の増加率 2.0倍
10%複利の増加率 3.8倍

これだけだと、投資時期がいつかという影響が大きいのと、長期投資において推奨されるリバランスが気になります。そこで、年末年1回リバランスをした場合も合わせて作成しました。リバランス実行月は毎年12月末です。なお、キャピタルゲインがあった場合の税金と取引費用は考慮に入れておりません。

2001年初・一括投資(リバランスあり)
初期投資額 1,000,000
2014年末の残高 2,032,813(コストなし)
2014年末の残高 1,769,551(コストあり)

151018 ポートフォリオの推移(一括投資)リバランスあり.png

コストなしシミュレーション
2001-2014年元本増加 2.0倍
平均リターン(年率) 5.6%
変動率(年率)    10.1%
最大下落率(月間)  -12.8%

いかがでしょうか?

私自身も「ふーん」と思ったのですが、リバランスは意外とパフォーマンスを改善させるようです。いくつかアセットアロケーションを変えても、リバランスありの方が有利な結果が観測される方が多いかもと思いました。リバランスありが負ける場合もありましたし、まあ、税金と取引コストを考慮していないベースですが。
自分の目標とするアセットアロケーションと同じor近い運用のバランスファンドがあれば、リバランスを適時やってくれるのと手間を考えると、1%未満程度の手数料は、お任せしたい人には悪くないのかも。

とりあえず、先日のムサコ会で、「積立投資で見れないと意味ねーし」という人がおられたので、積立投資バージョンは作成しました。(次回記事にて)

あとは、「私のアセットアロケーションの場合を見たい」とか、その他、「こういうのがあるといいなー」というご要望があれば、是非ご一報いただければと思います。

可能であればという今後のアップデート案としては、次のようなことが出来ると良いんじゃねと考えています。過去データをいじって見るのは、「遊び」でしかないので、実際にどうアセットアロケーションを組んでいくのが良いのか、というのに役立つようにしたいというのが個人的な希望です。
・アセットクラス別に当該インデックス商品の最低信託報酬のコストを入れて「コストあり」が計算される
・リバランス時の税金を考慮に入れる
・一括投資の開始年次を自由に設定できるようにする(個別には現状でも可)
・為替ヘッジあり・なしバージョン(現状は為替ヘッジなしのみ)
・ドローダウン(最大下落率)は、最大値から最小値までの差額と期間を出す
・リーマン・ショックの際の影響をどう考えるか
(応用編)
・アセットクラス別のリスク・リターン・相関に応じたモンテカルロ・シミュレーション(具体案はノーアイデア)
・アセットクラス別の期待リターンの見積もり方法(過去実績の平均リターンは、将来の期待リターンではないため)(具体案はノーアイデア)
・アセットクラス別の適正バリュー測定(具体案はノーアイデア)

次回(自分のアセットアロケーションの損益ってどうなの?という検証ツールA(積立投資の場合) おすすめのアセットアロケーションを考えよう(5))に続く

【おすすめのアセットアロケーションを考えようシリーズ】
・2015/10/5 おすすめのアセットアロケーションを考えよう(1) アセットクラス別のリスク・リターンの計算と分析
・2015/10/10 おすすめのアセットアロケーションを考えよう(2) ポートフォリオのリスク分散効果ってなに?
・2015/10/11 おすすめのアセットアロケーションを考えよう(3) アセットクラス間のリターンの相関係数

(ファンドラップについての検証)
2015/9/22 銀行の投信販売現場に行ってきました。親が銀行のお客様(上カモ)だった!(その3)ファンドラップ

2015/9/22 ムサコ会に参加してきました。それぞれの資産運用を始めるキッカケ

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*●は@です。資産運用や税務等のお問い合わせ・ご質問・ご相談も自由です。ASK資産運用実践研究会の研究員も募集しております。
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