2015年09月05日

MUMS藤戸氏の日経平均予測(マネーの羅針盤) 「下がった時に弱気になっていては株式投資は儲からない」

テレビ東京のマネーの羅針盤(2015年9月5日放送)で三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア投資ストラテジスト・藤戸則弘氏が出演し、8月下旬以降の日経平均急落を受けての向こう半年ほどの見通しを語っていました。

藤戸則弘氏の見通しのチャートはこちら。
藤戸則弘氏の年末見通し.JPG
目先は荒れる。10月までは今のジェットコースターが続く。
企業業績の評価、あるいは政策機会が出てきて再び上昇トレンドへ。半年経てば6月の高値も取れるのでは。

当面10月までのの波乱含みというのは過去の経験則がある。
海外の悪材料で日経平均が急落したときの動きは同じようになっている。今回も、現時点(2015年9月5日)では同じような動きの経過となっている。
1971年 ニクソンショック
1987年 ブラックマンデー
2013年 バーナンキショック
+2015年 今回(チャイナショック)
短期急落後の株価動向.JPG

ここでのポイントは、上記3つのケースで共通しているのは日本経済が良かった時に海外の要因で急落した時の動きであるということ。だいたい、どの場合も15〜20%ドーンと下がり、その後ジェットコースターが続きもたもたするが、約2ヶ月すると二番底を付けてその後は下がらない。
つまり、今回は8月に急落したので、10月に二番底を付けてその後は上昇トレンドに戻っていく。
そして、高値を取るのは上記3つのケースでは6ヶ月後である。
このトレンドを今回も辿るのではないか。

今回の最大のポイントは、日本経済が今後沈んでいくかどうか。10月に日本経済が失速しくのであれば、もっとズブズブになり得るが、藤戸氏が見る限りでは日本経済がそこまで深刻な状況ではない。そのため、上記3つのケースを参考に出来る。
国内の設備投資も動き出してきている。設備投資は企業経営者が先行きに自信を持たないと動かない。7月の工作機械受注で内需は前年比4割伸びている。内需企業や米国メインの外需企業が10月下旬の第2四半期で通期の業績の上方修正を出してくることも期待できる。

藤戸氏見解での日本株投資のポイントまとめ:
「今から10月までの安い時・下がった時に買って下さい。下がった時に逆張りをすれば、半年後には相当な成果を収めることが出来る。下がった時に弱気になっていては株式投資は儲からない。」

また、中国は、中国当局が思い切った景気刺激策や金融政策を出して来れば投資家のセンチメントがプラスに変わる可能性がある。中国はまだ財政に余裕があるので、習政権が思い切ったことをやってくることへの期待感を示していました。

「下がった時に弱気になっていては株式投資は儲からない」とは、藤戸さんはよく言い切った!と思いました。
テレビでないと伝わりませんが、自信満々にそれらしい理屈も付けながらビシっと語るのはさすがだなと勉強になりました。将来のことは不確定だからこそ、言い切るということが、この人に付いて行こうという気にさせるのかなと思います。
純粋にエンターテイメントとして面白いなーと思ったので、メモとしてブログ記事としておきました。

私はふだん、エコノミストやアナリストや証券マンの言うマーケット見通しの数字というのはあまり参考にしていません。
マーケットは、現在での延長で動いていくのではなく、現時点で予測できない未公表の新たな事象がどんどんアップデートされて織り込まれて行って動いていくものだからです。数ヶ月とか半年の間に新たな情報のアップデートがないということはあり得ないので、現在の延長でしか予測し得ない「半年後の数字予想」は意味がないのです。
もちろん、未公表の新たな情報(経済統計や企業業績の発表、サプライズニュースなど)がどのようになりそうかも含めての最善の予測をみんなしているのですが、結局のところ、多くは「おまじない」くらいの効能しかありません。(卓越した分析力で勝つ本物のプロもいるかと思いますので、一応、一般に出回る情報レベルでは、ということは付け足しておきましょうか)
株価でも為替でも何でもいいですが、メディアでの相場見通しは必ず今の価格を挟んだ上下のレンジが示されます。現在が18,000円だったら17,000〜20,000円とか言っていて、実際に20,000円になったらコロっと19,000円〜22,000円とか言うだけです。「今がピーク」「今が底」だとして、今の価格を下限・上限に置いているのを見たことがありません。プロでも無難なレンジを示すのは、外して恥ずかしい思いをしたくないのと、結局は値動きなんて誰にも分からないということです。

ただ、メディアとしては、需要があるので、今後も「相場見通し」がなくなることはないでしょう。
そういう意味で、需要へ応えるために、きちんと逃げずに語っているお仕事ぶりもあっぱれなものだなと思いました。
過去の似たようなケース(海外要因で日経平均が急落したケース)でのチャート比較とか、いかにもそうに見えるけどオカルトじゃねーかとか突っ込んじゃいけません。
また、影響力がある人が発信していくことで、それを信じる人たちの投資行動となって、価格形成に影響を与えていくという要素もありますので、「おまじない」であっても、聞く必要がないというのもまた少し違います。目標とする数字は当てにする必要はありませんが、根拠の説明は、自分の認識とのギャップの有無の検証・確認にはなりますしね。

なお、マーケット予測を一切考慮せずに定額の積み立て投資をしている方は、右往左往せずに冷静に一貫して続けていくことを推奨いたします。

真面目に、「藤戸レポート」(2015/08/31)「急落相場のパターン分析と対処法」での、ボラティリティ・インデックスの分析は個人的に大変参考になりました。
参考:マネーのネタ帳/ボラティリティ・インデックス(VIX、VI)の急上昇時の日米株式市場 投資のチャンスか?金融危機の始まりか!?
http://moneyneta.blogspot.jp/2015/08/vixvi.html

関連記事:
・2015/8/25 日経平均下落や世界同時株安に長期投資家はどう対処すべきか
http://money-learn.seesaa.net/article/424782159.html
・2015/1/8 バイロン・ウィーン氏の2015年10大(14大)びっくり予想
http://money-learn.seesaa.net/article/411999877.html




posted by ASK at 22:58| Comment(1) | TrackBack(0) | ニュース/データmemo | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする