2015年09月27日

「日本の投資家の皆さまが成功する投資家になるためのバンガードの4つの基本原則」(byバンガード)はインデックス投資のためのエッセンスが詰まっている良コンテンツ(何よりも無料!)

バンガードより、投資哲学がぎっしりと詰まった投資教育資料「日本の投資家の皆さまが成功する投資家になるためのバンガードの4つの基本原則」がリリースされました。(平成27年9月付)
「日本の投資家の皆さまが成功する投資家になるためのバンガードの4つの基本原則」を読む(PDF)

バンガードは、個人投資家向けインデックス商品の生みの親とも言えるジョン・C・ボーグル氏が設立した運用会社で、世界のETF運用会社御三家の1社です。
投資家への資産運用のコンセプトとして、「長期・分散・低コスト」を提唱し、それにふさわしい商品を提供していることで知られています。
日本のネット証券で最も買われている海外ETFのトップ3は全てバンガードが押さえています。
(参考)2015/8/8 海外ETFのネット証券大手3社の残高ランキング ダントツ1位はVTで残高299億円、上位20本の合計残高は1178億円
http://money-learn.seesaa.net/article/423812856.html

もとより、バンガードでは、「投資家の皆さまが成功する投資家になるためのバンガードの4つの基本原則」という冊子を公開していましたが、本書は、今般、内容を日本円と日本籍投信のデータを極力用いて日本人投資家向けカスタマイズしたのが趣旨のようです。旧版と内容自体に大きな変更はないようです。
ボリュームは本編が26頁ほどとコンパクトに、長期運用を学ぶための基本的必須事項が凝縮されています。
まだ読んでいなくてこれから読んでみようという方は、日本向けの同書を読むのが良いでしょう。
電車に乗りながらスマホで読めるようなボリュームで、無料コンテンツとしては非常にお勧めと言えます。

コンパクトな分、全くファイナンスの前提知識や投資経験がないと理解が難しいところはあるかもしれません。分からないところは流しながら、入門書も合わせて読んで実践に入っていけば良いでしょう。
重要なことは、シンプルなルールで始め、継続し、目標となる成果を出すことです。ルールを深く理解することが、長期的な継続への自信になり、結果へ結びつきます。
受け入りだけだと、途中で脱落してしまう可能性が高まります。人間、「分からないことを続ける」ことは大きなストレスだからです。さらに都合が悪いことに、人は長期的な先よりも目の前で起きていることに捉われやすいことも手伝い、得てしてマーケットが悪い時に諦めてしまう人が多いのは、このためです。
そういう意味でも、是非、多くの個人投資家(特に資産形成世代で長期運用の必要が高い方)が、本書を読んで、理解を深めて頂くと、本人にとってもハッピーなゴールになるかもしれませんし、ひいては金融リテラシーの向上が日本の資産運用サービスの健全な発展に繋がるものと思います。

・バンガードの4つの基本原則 〜「投資家の皆さまがコントロールできることに注力してください」〜
多くの人が、マーケットや経済、運用会社ランキング、個々の株式や運用戦略のパフォーマンスといった、本来コントロールすることのできない要素に目を向けがちで、見過ごされがちな、投資で成功するために最良の機会をもたらす不朽の基本原則が下記の4点として挙げられています。
目標(明確で適切な投資目標の設定)
バランス(幅広く分散しているファンドに投資し、適切な資産配分を)
コスト(コストの最小化)
規律(規律ある長期的な視点を)


詳細はコンテンツを読めばいいのですが、私自身の理解の整理のため、重要だと思った要点をピックアップしてみました。

・目標(明確で適切な投資目標の設定)
適切で、達成可能な目標を定めることが重要。長期の投資計画がないと、投信格付けといった一時的な要因に左右され、「高値づかみ・安値売り」といった非効率な投 資に陥る可能性が高まる。
どれくらいのリスクを取るか認識する→具体的で達成可能な投資額と、ポートフォリオを見直す時期や頻度を決めるというのが正しい手順。リターンから追わない。

基本的な投資計画例で考えること(p3に計画例があり)
・目的
・前提条件や制約
・貯蓄や拠出額の目標
・資産配分の目標
・補完する資産クラスの エクスポージャー
・パッシブかアクティブか
・リバランスの方法
・確認方法

知っておくべき事実(図表やグラフあり)
・好成績を維持出来るファンドは少ない(p5)
・投資信託への資金流入はパフォーマンスの後追いである(p5)

・バランス(幅広く分散しているファンドに投資し、適切な資産配分を)
アセットアロケーションは、合理的なリスクとリターンの予測に基づいて決定する必要があり、資産を不必要なリスクから守るために、分散させる必要がある。
株式や債券、その他の投資対象の組入れ割合によって、そのポートフォリオのリター ンとボラティリティ(変動性)はほぼ決まる。ボラティリティや短期的な損失をおそれるあまり、株式への投資を最小限に抑えると、 インフレに対応できない、また、投資目標に到達できないといった他のリスクが生じる可能性がある。
アセットアロケーション(資産配分)の決定にどのような前提条件を用いるかということは、ポートフォリオの資産の組み合せと同じくらい重要。
ある特定の時点でのマーケット環境が、投資家のリターンに大きなプラスやマイナスになりうる。長期的な過去の実績データを分析することで、ある程度リターンを予測することは可能だが、同時に、マーケットは常に循環しているので、ある一定のリターンを前提とするのは 非現実的である。
損失に対する保険をかけることにはならないが、必要以上に大きな損失を防ぐことには役立つ。

なぜ分散なのか?
トップパフォーマー銘柄は、絶えず、そして素早く入れ替わり、事前に当てることは困難である。

投資をしないことのリスク
・機会費用 ・・マーケットで利益を上げられる機会 があるのに、何もしないことによって生じる損失。
・インフレリスク ・・インフレ経済では、投資家は長期的に購買力を失う可能性がある。

知っておくべき事実
・株と債券の組み合わせ比率の違いが運用成果に違いをもたらす(p8)
・投資カテゴリーごとの年率リターンには規則性がない(市場のベスト・パフォーマーは不規則に毎年変わる)(p12)

・コスト(コストの最小化)
マーケットは予測不可能で投資家がコントロール不能だが、コストは常に発生しコントロール可能な要素である。投資コストが低ければ低いほど、リターンに対する投資家の手元に残るお金は増える。学術的な調査によると、低コストの投資は高コストの投資をアウトパフォームする傾向があると指摘されている。
特に2%を超える高い信託報酬のファ ンドが高いリターンをあげる可能性は非常に低いことがデータからも明らかである。

知っておくべき事実
・投資の年間コストの大小がポートフォリオ残高に与える長期的な影響(p16)
・コストが高いと運用結果は悪化することがパフォーマンスに対する影響を検証した様々な調査により立証されている(p18)

*ファンドラップのコストはどうなのでしょうか?(笑)
(参考)2015/9/22 銀行の投信販売現場に行ってきました。親が銀行のお客様(上カモ)だった!(その3)http://money-learn.seesaa.net/article/426530132.html

・規律(規律ある長期的な視点を)
自制心と長期的な視点を持ち続けることで、たとえマーケッ トが不安定なときでも、投資家は投資目標の達成に向けて、焦点を定めることができるようになる。
アセットアロケーションの決定は、目標を達成するための重要な礎の一つであると同時に、時間の経過に伴い、資産の比率が変わった場合、投資目的達成のために設定した当初の資産配分へと戻すには、定期的なリバランス が必須。ジャコネッティ、キニリおよびズィルベリングは2010年の論文で、最も幅広く分 散投資されたポートフォリオの資産配分を毎年または半年ごとに確認し、当初の配分目標から5 パーセント以上乖離した場合はリバランスする必要がある、と結論づけている。
ファイナンスの学術研究では、アクティブ運用のファンドが常にベンチマークをアウトパフォームし続けるのは極めて困難であることが示されている。

定期的なリバランスを通じて、ポートフォリオのリスクを管理することができる。
ポートフォリオの見直しを怠ると、大きな損失を被る場合がある。
マーケットを出し抜こうとすると、たいてい損失につながる。

知っておくべき事実
・規律を維持することの重要性:リバランスを怠ると、投資家は意図しないリスクにさらされることがある(p21)
・規律を維持することの重要性:市場の変動に反応してしまうと、マーケットの後追いをしてしまう結果、リターンを損なうことがある(p22)
・トップ・パフォーマーはすぐに変わる(p25)
・貯蓄率・資産運用への拠出率(拠出額)を増やすと目標資産額達成までの年限が短縮される(p26)

・「市場が乱高下しているとき、何をすべきか?それは「何もしない」こと
加えて、2015年8月の株価下落に際して、2015年9月1日付では、バンガードCEOビル・マクナブ氏からのメッセージが出されています。
・バンガードCEOビル・マクナブからのメッセージ
https://www.vanguardjapan.co.jp/retail/articles/resources-learning/saving-investing/what-to-do-about-market-volatility.htm

ここでは、市場の熱狂を上手く切り抜けるためのシンプルなルールが言及されています。
第1のルール:ボラティリティと周期的な調整は株式市場ではよくあることであると認識すること。
第2のルール:雑音を消して、投資から感情を追い払うこと。
第3のルール:ボラティリティを味方にすること。
「何もしない」という計画を立てること。(ポートフォリオが既に広く分散されていて、投資家の投資目標、投資期間、リスク許容水準にとって適切なバランスがとれているのであれば、それを堅持することが賢い選択である)

*わりと、私も本質的には近いような考えかなと思います。
(参考)2015/8/25 日経平均下落や世界同時株安に長期投資家はどう対処すべきか
http://money-learn.seesaa.net/article/424782159.html

・まとめと感想
読んでいるとピックアップの箇所が多くなってしまい、長くなってしまいました。。
いわゆるインデックス投資(こつこつ積み立てながら長期志向でインデックス投信やETFによるグローバル分散投資を行う方法)のエッセンスが詰まっています。
目標を持つことと、規律が大事、というのは、重要であるものの、この大事さは、実際にやっていかなければ深く分かるようにならないし身に付かない、という要素ではあるのですが、客観的な現状把握に則った「目標設定」が全ての根幹ではあります。
また、バンガードの原則はシンプルで誰でもやりやすい方法ではありますが、知っておくべき事実をファクトとして理解し、ここにあるような原則はしっかりと知りつつ、あとは好みで自分の型を作っていけば良いのだと私は思います。資産運用の正解は、自分の目標に達することが出来るかどうかだけで、投資法がインデックス運用でもアクティブ運用でも、そこに善悪はありません。(パフォーマンスの低い高コスト商品は投資家にとって「悪い」と言えますが)

あとは、具体的なアセットアロケーションの方法論、商品選択、ネット証券の使い方、税金(特定口座を使えば基本は不要)などの理解を徐々に深めていけば良いでしょう。

【関連記事】
・2015/9/12 「やり直し相場ではじめるETF超入門」週刊東洋経済(2015年9月19日号)を読み解く
http://money-learn.seesaa.net/article/425852864.html
・2015/7/25 [感想・書評]全面改訂 ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド 山崎元 水瀬ケンイチ/著
http://money-learn.seesaa.net/article/423002177.html
・2010/12/31 ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理 バートン・マルキール/著 井手正介/訳
http://money-learn.seesaa.net/article/177621542.html






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2015年09月22日

銀行の投信販売現場に行ってきました。親が銀行のお客様(上カモ)だった!(その3) 〜ファンドラップ〜

その1その2 からの続き)
2014年末に、うちの親が銀行の投信販売のお客様になっていて、その販売現場の調査同行したことの記事をアップしました。
実は、この話には若干の続きが進行しています。この件は封印しとこうかとも思っていたのですが、シルバーウィークなんで(何の関連もないけど)、ちょろっと後日談を書こうと思います。

昨年末に、私はわが親のためをと思い、竹川美奈子さんと朝倉智也さんの本をアマゾンで購入し、実家を配送先にして、「本を送ったからちゃんと年末に読んで今後に役立ててね♪」とプレゼントしました。
送った2冊の本は私は読んでいないのですが(笑)、著者の他の本は読んだことあるし、厳正にピックアップしました。
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平穏に過ごしていた本年2015年の春頃、たまたま親と別件で用事があり電話で話をしていると、親がおもむろにこんなことを言い始めました。*キーフレーズは太字にしてみました。
親「そういえば、あんたにもらった本に書いてあったようなうってつけの良い商品をD証券さんが案内してくれたわよ」
私「え・・・」(いやな予感)
親「D証券の営業の若い男の子は、うちまで来てちゃんと丁寧に説明してくれるし、強引な営業とかしてくるタイプじゃないから、安心なさい。悪い人じゃないから大丈夫よ。」

ま、まさか、ファンドラップの振りか!?と私は瞬時に察しました。
私が送った本には、「分散投資で長期運用をしましょう」と書いてあったはずです。「長期運用でのコスト低減の重要性」は説いてなかったのかな・・。まあ、ちゃんと読んでくれたことは期待してないけど・・

親「で、案内してくれたのは、最近テレビでCMもやってるでしょ?ファンドラップって言って、長期運用にすごいぴったりの商品みたいよ。」

キ.キタ。ファンドラップ
渡辺謙の顔が浮かぶ・・。ラストサムライを観て好きだったのに・・


私「お、おぅ・・。ファンドラップってどういうものか知ってる?毎年年間で支払うことになる手数料が3%くらいになるはずだけど・・」
親「ちゃんと安定運用で長期投資にぴったりっていう話よ」
私「そういう安定運用は、長い目で見た時に年間で平均的に得られる利回りって、債券とか中心で仮に年間2%程度くらいとして、それに毎年3%を支払うと、つまり、長い目で見てお金が減っていくことになっちゃう可能性があるんだけど。分かる?」
親「また、そんなこと言って。銀行で買った投資信託だってちゃんと値上がりしてるし、損するなんて、そんなことないわよ」
私「この数年はマーケットが好調だったからコスト以上の運用成果が得られたんだけど、マーケットには良い時も悪い時もあって、長い目でプラスの利回りが期待できる運用をしないといけないんだよ。
それに、同じような運用成果が出る手数料の低い商品を買えば、もっと多くの利益が出たはずで・・」
親「もうー。銀行とか証券会社で働いてる人たちって、みんないい大学を出て、高給な給料をもらってるちゃんとした人たちでしょ。それを信用しちゃいけないみたいに言って、あんたは。」
私(その高給な給料が高コストで期待リターンを引き下げる要因を生んでるんだっていうことが分からんのか!)とは言わず
私「何なら、こっちで、ファンドラップと全く同じポートフォリオで手数料の掛からない運用になるようにやってあげるけど」
親「そんなの、どうやってやるのよ?
私「ネット証券を使って手数料の掛からない商品を買えば簡単に・・」
親「インターネットの証券口座なんて、使い方もよく分からないし、私だって忙しいのよ」←子どもも独立した専業主婦で忙しいわけがない
私「別に難しくないし、何なら全部やってあげても・・」
親「とか言っても、あんたは全然帰ってこないしねえ。それに、何か、インターネットなんて、勝手にお金が引き出されたとか、詐欺みたいな話が多いじゃない。そんなものの方がよっぽど信用できないんじゃないの?」

ええ、まあ、おおよそマジでこんな感じの話です。
私には目からウロコなことがありました。対面の証券会社で発生せざるを得ない高コストとそれに伴う期待リターンの低下は、うちの親のレイヤーのような一般顧客はその事実と重要性、そして低コストの商品へのアクセスを知らされていないから知らず知らずのうちに手数料を取られているのだと思っていましたが、説明されても響かないことがあるものなのだ、ということです。
ネット証券の画面はごちゃごちゃしているし、そもそも何をどう買っていいのか分からない人にはハードルが高いというのは理解できますが。

ちなみに、D証券に悪気はありませんが、ホームページを拝見させて頂くと、ファンドラップフィーが1.512%という記載があります。(うちの親の預けている資産は5000万以下という想定)
150922 大和 ファンドラップフィー.jpg

また、不思議なことに、ファンドラップの中の運用商品については私が探した範囲では見当たりません。よくあるお問い合わせには、「売買手数料は掛かりません」とだけ、ドヤ顔で記載があります。
関係者に聞いてみると、「ポートフォリオを売るサービスなのでWEBには晒してないようですね。店頭に行けば一生懸命説明してくれると思いますが笑」という温かいレスポンスが。
仕方がないので、ネットで検索してみると、「投資信託の分配金に騙されるな!」というページのコラム「大和証券のラップ口座の手数料は、非常に高いので注意!」で見つかりました。
150922 大和 ファンドラップのファンド手数料.jpg
(参照 http://investmenttrust.biz/daiwawrap-tesuuryou.html より)

債券中心にして1%超というところでしょうか。
安定運用で、2.5%〜3.0%くらいが年間に負担するコストになりそうです。

コスト年率を2.5%として、過去データに基づいてみるとどうなるのか、ちょろっと客観的な検証をしてみましょう。
ここでは、ポートフォリオはかなり保守的めに、国内債券60%、海外債券20%、国内株式10%、先進国株式10%としました。
ベンチマークは国内債券は野村BPI総合指数、海外債券はシティグループ世界国債指数(除く日本)、国内株式は東証株価指数(配当込み)、先進国株式はMSCIKOKUSAI指数で、配当込み指数・円換算後の月次データを使用。リバランスは毎年末に実施、売買コストや税金は考慮していません。コストありの計算は毎月のリターンから月間コストを引いて算出。計算ミスの有無は責任を負いかねます。

2001年頭から2014年末までのポートフォリオの価格推移は下記のようになりました。
150922 ポートフォリオのパフォーマンス(コストありなし比較).jpg
初期投資額 1,000,000円
2014年末の残高  1,750,896円(コストなし)
2014年末の残高  1,237,362円(コストあり)

コストなしの場合の計算
2001-2014年元本増加 1.8倍
平均リターン(年率) 4.1%
変動率(年率)   4.8%
最大下落率(月間)  −5.7%

あ、ちゃんとコスト負担以上に利益は確保されるようです。2012年末まではマイナスですが。
すいません、期待リターンがマイナスなんて言ってしまい。年間コストを3.0%にしても、2014年末の残高は1,154,267円、年間1.1%程のコスト控除後利回りで、セーフです。
年間コストがどれくらいポートフォリオの損益に影響するのかは一目瞭然ではありますが、よく考えてみましょう。
この期間の日本債券は日本の長期金利が低下し続けている局面で抜群のパフォーマンスで今後どうなんだとかは、話が長くなるのでここでは止めておきます。

親を想う子の気持ちとしては、とにかく、大損とかされて「ヒャッハー!」みたいになることを回避してもらうことです。
そんなんもあるので、元本保証のあのトヨタの優先株を、私自身は不要と思いましたが、親に教えてあげました。
(参考)2015/5/30 トヨタ自動車の優先株は日本債券クラスを代替する投資対象として適しているんじゃないかと思った件
http://money-learn.seesaa.net/article/419858850.html

N証券とその時に接触を持ったので、ファンドラップの販売状況について聞いてみると、ファンドラップは初めて資産運用をやるという方が多いようで、ほぼみんなが保守的で、日本債券が60%とかのポートフォリオの人が多いようです。
日本債券クラスの期待リターンと長期金利の利回りは完全一致ではありませんが、参考までに、2015年9月の現時点で、日本国債の長期金利(10年)は0.5%を下回って推移しています。ファンドラップは、0.5%以下の利回りに2.5%以上の手数料を払っているようなものです。

私は証券会社出身者に聞いたことがあります。
「営業マンって、長期的に顧客にリターンを提供できないような商品を売っていて恥ずかしくないんですか?」と。
その証券会社出身者は、お前は何も分かってないなという様子で教えてくれました。
「営業マンが売る商品を恥ずかしいと思うことはない。売れなくて会社のみんなの前で上席から激詰めされることこそが恥ずかしいことなんだ。」と。
これもまた目からウロコで、私は自分の想像の範囲の狭さを反省しました。

こんな素敵なファンドラップですが、今後どのように進化していくかが非常に楽しみです。

(参考記事)
・2015/5/25 証券会社が勧めるラップ口座 残高急増で4兆円を突破、専門家は「最も買ってはいけない金融商品」と指摘
・2015/5/30 投信ビジネス後進国の日本 日米で売れている投資信託はなぜ違うのか


【関連記事】
・2014/12/29 銀行の投信販売現場に行ってきました。親が銀行のお客様(上カモ)だった!(その1)
・2014/12/30 銀行の投信販売現場に行ってきました。親が銀行のお客様(上カモ)だった!(その2)






☆ざっくばらんに資産運用について飲みながら語るオフ会への参加希望者も募集中☆
(参考)2015/9/22 ムサコ会に参加してきました。それぞれの資産運用を始めるキッカケ
http://money-learn.seesaa.net/article/426491515.html
・ブログ運営者への連絡先:asklearn777●gmail.com
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